目玉をペロペロ…残虐ビデオ鑑賞は悪か? ― スナッフフィルムを模した伝説の封印映画『ギニーピッグ』

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■幼女連続誘拐殺人事件でホラー映画狩りが始まる

 シリーズは翌1986年から残虐度を抑えたコメディ路線にシフトし、『ギニーピッグ3 戦慄! 死にたくない男』(脚本・監督は漫画家の久住昌之)と、『ギニーピッグ4 ピーターの悪魔の女医さん』(脚本・監督はWAHAHA本舗の現社長・喰始)が製作された。

 だが、1987年にオレンジビデオハウスが倒産し、シリーズ第5作目の製作はジャパンホームビデオに引き継がれ、『ザ・ギニーピッグ マンホールの中の人魚』とメインタイトルも新たに、ストーリー性を重視した作品がスタートした(監督は再び日野日出志)。

 そして1988年、6作目『ザ・ギニーピッグ2 ノートルダムのアンドロイド』が田口トモロヲと小人俳優・日野利彦という存在感抜群のキャストでリリースされ、7作目の『ザ・ギニーピッグ3』も既に完成済みで、発売日を待つのみだった。

 しかし、1989年に発生した幼女連続誘拐殺人事件により、シリーズは存続の危機に直面した。犯人・宮崎勤が同シリーズのビデオ(『ピーターの悪魔の女医さん』だけだが)を所有していた事から、2作目『血肉の華』が犯行内容に類推すると、27県で有害図書に指定されたのだ。

 そして、同シリーズを含むホラーとスプラッター作品が、全国レンタル店の棚から丸ごと消える「ホラー映画狩り」が実施され、7作目はお蔵入りになってしまう。

 事件の翌1990年、7作目のビデオはタイトルから「ギニーピッグ」を外した『LSD ラッキースカイダイアモンド』に変更されて発売。脳ミソむき出しの少女(当時のアイドル網浜直子)を眺めながら助手とセックスを楽しむ変態医師・佐野史郎の怪演が光っていた。そしてシリーズは、この作品をもって完結した。

『ギニーピッグ』は、誰の意識下にも潜在する「人体損壊に対する興味」のビジュアル化だ。批判する方に言いたいのは、実際にやっていた旧日本陸軍七三一部隊に比べれば、残虐ビデオの個人鑑賞なんて他愛ないもの。興味(=欲望)のガス抜きくらい、目くじら立てず大目に見てください。

■天野ミチヒロ
1960年東京出身。UMA(未確認生物)研究家。キングギドラやガラモンなどをこよなく愛す昭和怪獣マニア。趣味は、怪獣フィギュアと絶滅映像作品の収集。総合格闘技道場「ファイトネス」所属。著書に『放送禁止映像大全』(文春文庫)、『未確認生物学!』(メディアファクトリー)、『本当にいる世界の未知生物 (UMA)案内』(笠倉出版)など。新刊に、『蘇る封印映像』(宝島社)がある
ウェブ連載幻の映画を観た! 怪獣怪人大集合

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