ポストモーテム・フォトグラフィー 愛する人の死を受け入れる「遺体記念写真」の奇妙な歴史

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・足

 立っているいる遺体写真は、大きなドールスタンドという機具を使って遺体を支え、腰や手首はベルトで固定した上で撮影した。女性の場合、スタンドの足の部分はドレスで隠すことができ自然に立っているように見せることができたが、男性の場合、足元を見るとスタンドの足が写っている。このように、苦労して撮影した中には遺体には見えないような生き生きした写真もあるが、大半は文字通り「魂の抜けたような」生気のない無表情ばかり。


・表情

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 乳幼児の場合、仕上がった写真の頬にほんのりと色をつけることもあったが、それが逆に亡くなっていることを強調するケースも少なくない。白黒であるため、まだましだという説もあるが、一緒に写っている遺族からは悲壮感が伝わり、正視するのがとても辛い。


・母親

 乳幼児の遺体写真の中には、背後に布をかぶった人が写っていることも多い。これは母親で、幼い我が子を機材で固定するのは忍びないからと、布をかぶり抱っこして支えているのである。家具に同化しようと、柄のついた布をかぶっている母親が多いが、中には無地の布をかぶっている母親もおり、不謹慎ではあるがとても不気味に感じられる。心配なのか椅子の後ろに隠れている母親が写っている赤ん坊の遺体写真もあり、まるで死神のように見えるため、ぎょっとしてしまう。


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 遺族にとって、愛する人を姿を永遠に残し、死を受け止め、また乗り越えるために必要不可欠となっていた遺体写真撮影だが、20世紀になり、葬儀を執り行う葬儀業者が登場し、写真がもっと簡単に撮影できるようになると、次第に行われないようになっていった。そして、現在ではこの時代のような大々的な遺体写真撮影はタブーとされるようになっていった。

 現在、我々が見ることができるヴィクトリア朝時代の遺体写真のほとんどは誰なのか名前も分からない人々のものである。そんな写真を見たらトラウマになるという人もいるが、遺族たちの愛と辛さ、そして死に対して真剣に向き合っていることが伝われる写真ばかりであり、とても貴重な写真としても捉えられている。

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