「スペースX」「テスラ」CEOイーロン・マスク氏の人類火星移住計画 ― 物資を先に輸送し、100万人を移住させる

■未踏の地、火星移住の実現性は?

 マスク氏によると、まず火星への移住に伴い、移住費用は一人50万ドル(約5,400万円)が最低必要だという。現段階では、火星の成層圏にエアロゾルの膜をはり地球上と同じような環境に調節する予定だが、SF映画のような居住スペース建設や、食糧やエネルギー確保のためのインフラ整備など課題は山積みである。

 また、火星移住の心構えも必要だ。要件をクリアさえすれば誰でも応募することができるが、地球への帰還計画はないのだ。しかし、そのような条件であっても火星への片道切符は競争率が高く厳しい販売になるだろうと見込まれている。

 マスク氏は「異星の空の下、地球をバックに不思議な砂漠を歩き、宇宙の神秘を感じる体験に魅力を感じる人は多いだろう」と語った。また一方で「熱帯雨林と海でサファイアのように光り輝く地球だが、今も数多くの人々が争いによって命を落としていることを忘れてはならない。かつての“エデンの園”はもうないのだ」と、地球の将来を厳しく見定めている。

 地球から火星へと移り住み、地球と同じような文明を築いていくためには、最低でも100万人の移住者が必要であるという。


■壮大なる移住計画はノアの方舟

「スペースX」「テスラ」CEOイーロン・マスク氏の人類火星移住計画 ― 物資を先に輸送し、100万人を移住させるの画像2スペースX社が開発した宇宙船「ドラゴン」 画像は「Wikipedia」より

 移住が現実化すると今度は、100万人の移動をどのように行うかが焦点となってくる。一度の移動は100人が限度と考えられていることから、100万人の移住を終えるには地球と火星を1万回往復する必要がある。また、火星到着まで通常約6カ月かかると計算されており、それを考慮すると物資を先に届けて人は後から到着するのが現実的だ。しかし、移住に伴う移住者の荷物が仮に体重の10倍と計算すると、物資輸送だけで10万回の往復が必要となってくる

 マスク氏は、まず火星移住計画のための輸送船に課題をおいている。ロケットは打ち上げ後、機体を軽くするためタンクやエンジンを切り離すが、現在はコストダウンのために再利用可能なロケットの開発に取り組んでいるということだ。

 日本に目を向ければ、芸能人の岩城滉一が宇宙旅行に行くと発表し(利用会社はオランダのSXC社)、本来ならば今年4月から民間宇宙飛行への参加となるはずだったが、機体完成に遅れが生じてスケジュールが根本的に組み直されている状況だ。どちらの実現もまだ先のこととなりそうである。
(文=福島沙織)


参考:「Aeon」ほか

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