丹波哲郎の仰天霊界エピソード!? 歌人・笹公人の守護霊の話!
※この連載は、読者のみなさまの短歌の投稿を元に展開します。ぜひ、ご応募ください(応募方法は、記事下ボタンより)
連載:笹公人のワクワクするオカルタンカ~言霊念力トレーニング~

守護霊といえば、つのだじろう先生の大ヒット心霊漫画『うしろの百太郎』を思い浮かべる人、故・丹波哲郎さんや江原啓之さんを思い出す人など、さまざまでしょう。
実は、『うしろの百太郎』には「主護霊」という漢字が使われていました。意味は同じですが。同漫画には主護霊との交信方法も紹介されていました。怖くて試す勇気はありませんでしたけど。『うしろの百太郎』は、コックリさんに憑かれた女性の直筆の手紙が公開されていたり、いま思うとなんでもアリでしたね。
丹波さんは、80年代に守護霊本をたくさん出版しています。芸能界きってのオニサブラー(出口王仁三郎ファン)ですが、王仁三郎やその弟子の浅野和三郎から強く影響を受けています。
江原啓之さんは、守護霊を「守護霊さん」とさん付けするところが特徴でしょう。江原さんも、「和製スピリチュアリズムの父」と呼ばれる浅野和三郎から多大な影響を受けています。
どの守護霊話にも共通するのは、
守護霊は入れ替わることがあるということです。
志を高く持てば持つほど、それにふさわしい守護霊に入れ替わるそうです。
たしかに、志を高く持って、あることに必死で打ち込んでいたら、ある日突然うまくなったという人の話を聞くことがあります。
短歌でも、まるで別人のように急にうまくなる人がたまにいますが、あれも守護霊や指導霊の入れ替わりが関係しているのかもしれません。
TOCANAでもおなじみのお笑い芸人・キックさんがこんな短歌を作っています。
急激に日焼けサロンに通い出し守護霊の入れ替わりを疑う キック(「未来」2014年4月号より)
舞台でも寄席でもなく、日焼けサロン。EXILE系の守護霊にチェンジしたのでしょうか……。
丹波哲郎さんで思い出すのは、丹波さんが監督を務めた「大霊界~死んだらどうなる~」(1989年)という映画です。
当時中学生でしたが、友人たちと一緒に映画館で観ました。ふつうに中学生が観に行くくらい、大ヒットしていたのですね。
その映画館の受付で見た光景は忘れがたいです。
90歳くらいの杖をついたおじいちゃんが、『大霊界』のパンフレットを買うために、ポケットの奥から四つ折りになった五百円札をとり出して、うやうやしくお札を広げはじめたのです。
時は平成元年。五百円札は、当時すでに昭和の遺物と化していて、なかなかお目にかかれない代物でした。
「あのお札青いぞ……。えーっ、岩倉具視!!?」
友人たちと一緒に目を疑ったことを覚えています。滅多に使わないお金をここぞとばかりに使ったのかもしれません。
『大霊界』のパンフレットを買い求めるおじいちゃんの姿は、三途の川の入り口で奪衣婆に六文銭を手渡す死者を思わせました。
映画館内も、来たるべき死後の世界を下見に来たのであろうおじいちゃん、おばあちゃんでごった返していました。中学生ながらも「丹波さん、いいことしてるなぁ」と思いましたね。
『大霊界』のパンフ求めて祖父(おおちち)が四つ折りの五百円札を広げたり (笹公人)
ということで、
入選作品の発表です!!
〈前回の課題【守護霊】〉
●特選
壇蜜の守護霊問えば守護霊を名のる男の霊数珠つなぎ (コトダマン)
<笹先生の選評>
数珠つなぎの霊は、守護霊を名乗るスケベな不成仏霊または生き霊でしょう。
たしかに職業柄、色情霊や生き霊に狙われやすいでしょうね。
仏壇の「壇」と「数珠」が響き合っているところも鋭かったです。
●秀逸
守護霊の軽さを肩に感じつつ妻の罵声を受ける夕暮れ (むぎたうろす)
<笹先生の選評>
守護霊が与えた試練ということも考えられます。
「助けてくれ~」という作者の心の叫びが聞こえてくるようです。
「夕暮れ」が虚しさを倍にしています。
●佳作
真夜中に我が守護霊の声がして代わりに食べるハーゲンダッツ (雪村ねこ)
<笹先生の選評>
「妖怪のせい」ならぬ「守護霊のせい」ですね。
守護霊さんも泣いていることでしょう。
守護霊が今朝から見えず霊界で「そろそろ飽きた」と転職希望 (いとうのりぴー)
<笹先生の選評>
飽きられても困りますよね。
一目惚れされたのは私あんたじゃない後ろで叫ぶ若死にの母 (まっくしゅ)
<笹先生の選評>
守護霊というより、ふつうに母親の霊だと思いますが、おもしろいので採りました。
娘にさえライバル心を燃やす女の業を感じる歌です。
■投稿例
・くびれとかダイエットとかスリムとかみんなの呪文で消えたツチノコ (水野加奈)
・国道をあのときも今日もうつむいて ふるさとの夏はツチノコ日和 (宮川邦恵)
(『笹公人の念力短歌トレーニング』/扶桑社より)
■笹公人先生のツチノコ短歌
・ツチノコをジープで轢いた米兵にまだらの痣が浮かぶ夜更けぞ (『遊星ハグルマ装置』/日本経済新聞出版社より)

笹 公人(ささ・きみひと) プロフィール
1975年東京生まれ。歌人。「未来」選者。現代歌人協会理事。大正大学客員准教授。文化学院講師。NHK学園講師。歌集に『念力家族』『念力図鑑』『抒情の奇妙な冒険』。他に『念力姫』『笹公人の念力短歌トレーニング』、絵本『ヘンなあさ』(本秀康・絵)、和田誠氏と共著 『連句遊戯』、朱川湊人氏との共著 『遊星ハグルマ装置』、編著に『王仁三郎歌集』(出口王仁三郎・著)などがある。「サイゾー」にて、「念力事報」(写真・江森康之)を連載中!
・公式HPはコチラ→http://www.uchu-young.net/sasa/index.html
以下のリンクより、応募フォームに必要事項(ペンネームと短歌、賞品を狙う方はメールアドレス)をご記入の上、ご送信下さい。たくさんのご応募お待ちしております!
【イベントのお知らせ】
~ マジックスパイスプレゼンツ~
「公人&キックの念力ナイト2」
日時:11月12日(水)18時30分開場 19時開演
場所:下北沢マジックスパイス
出演:笹公人(歌人)、キック(芸人)、小島なお(歌人)、他
特別出演:下村泰山(マジックスパイスオーナー)
ミニライブ:blue marble
チケット:3千円(スープカレー&1ドリンク付き)
前売り予約:shimomura-h@sepia.plala.or.jp (マジックスパイス下北沢店)
・オカルタンカのまとめ読みはコチラ
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