少女の遺体30体を“生きる人形”に加工した男
少女の遺体30体を“生きる人形”に加工した男 ― 法廷で天才と呼ばれた獣
2012年、ロシア中西部の都市ニジニ・ノヴゴロドで1人の男が逮捕された。男の名はアントリー・モスクヴィン、47歳の歴史家。逮捕時、警察がアントリーの自宅に踏み込むと、そこに広がっていたのは、想像を絶する光景だった。まるでゴミ屋敷のように散らかった部屋の中に、子どものミイラ30体が無造作に置かれていたのだ。子どもたちは1人1人化粧をほどこされて衣服を着せられ、まるで“生きる人形”のように加工されていた。
警察によれば、モスクヴィンは過去に700以上の墓地を訪れ、150個の墓を盗掘したという。そのうち30体あまりを自宅に運び、ミイラ加工して自分の部屋に並べていたのだ。

モスクヴィンは両親と同居していたが、驚くべきことに両親は「息子の“趣味”にはまるで気が付かなかった」と、警察に話している。
■娘を盗掘された被害者・ナターリアの悲しみ
娘を盗掘された被害者の1人、ナターリアは2002年、当時10歳の娘を何者かによって殺害された。少女は家を出たきり行方不明となり、その後自宅近くで撲殺された姿で発見された。そしてこの過酷な体験に追い打ちをかけるように、盗掘の被害者となった。埋葬から10年後、警察と一緒に墓を掘り返したナターリアは我が目を疑った。棺のフタ部分に穴が開けられ、娘の遺体が消えていたのだ。
「自分の子どもの墓が誰かに荒らされるなんてことは、想像もできないことです。私達夫婦は娘の遺体が盗掘されたことも知らずに9年以上も墓参りをしていました。しかし彼女はあの“獣”の家に置かれていたんです」
■不気味な手紙
しかし、ナターリアが娘の墓の異変に気がついたのは、意外にも、埋葬から1年後の2003年5月からだった。
献花した花が何者かに持ち去られていたのだ。それから奇妙なことは続いた。ある日墓参りに訪れると、そこには置き手紙が置かれていた。手紙の署名には“親切な天使”という名前が書かれていた。
「その頭のおかしい手紙の書き主は、『娘が今日で何歳になった』とか、『今日は学校の始業式』とか、まるで娘が生きているかのように、出来事を書いていたんです。例えば『今月で6年生も終わりです!』というように」
事実、モスクヴィンは掘り起こした少女たちの年齢を細かく記録し、その成長に応じて彼女たちの記念日を祝っていたという。
手紙はそれからも置かれ続け、ある時には「彼女にふさわしい立派な墓碑を建てなければ、遺体を掘り返してやる!」と夫妻に向けた怒りすら書かれていた。2人はすぐに墓碑を建てたが、今度はそれが破壊された。夫妻は耐えかねて警察にも相談したが、警察はまともに取り合うことはなかった。そしてそうした嫌がらせはそれから9年に及んで続いた。
しかし2011年、ナターリアと同様の報告が数多く寄せられるようになった警察がやっと動き出したことで、アナトリー・モスクヴィンがようやく逮捕された。
そして警察がモスクヴインの自宅に踏み込んだところ、そこには冒頭で触れた壮絶な光景が広がっていた。
■13カ国語を操る天才

裁判では、モスクヴィンの責任能力が問われた。ナターリアら遺族は当然厳罰を望んだが、精神鑑定ではモスクヴィンに異常が認められた結果、判決は保留となり精神病院に収容された。2012年以降、一年おきに鑑定が行われているが、モスクヴィンは罪の裁きを受けることもなく、今も精神病棟に収容されたままである。
この結果にナターリアはじめ遺族は怒りをあらわにしているが、現在のところ為す術はないという。
一方、モスクヴィンを調査した精神科医によると、モスクヴィンはそのおぞましい犯行とは対照的に、極めて高い知能を示していることがわかった。13カ国語を話し、法廷では“天才”とまで呼ばれていた。しかし精神科医は、「モスクヴィンは普段の会話では極めて聡明に話をするものの、“少女たち”について話が及んだ途端、まるで取り憑かれたように人格が変わる」と話している。
また警察の調べによれば、犯罪の動機について性的な嗜好から少女を狙った形跡は一切見られなかったとされている。むしろモスクヴィンはセックスを嫌悪し、醜いものだと考えており、法廷では次のように述べたという。
「私は彼女たちを生き返らせる方法が確立されるのを待っていた。ミイラ作りの専門家となり、彼女たちとコミュニケーションをとるつもりだった。(掘り出した少女の選定について)私は墓に寝転び、彼女らの声を聞いた。するとたまに少女が『ここから抜けだして歩きたい』と私に訴えるのが聞こえたんだ」
■モスクヴィンの心のトラウマ
一体なぜモスクヴィンがこのような猟奇的犯罪に向かったのか、理由は今も明らかにされていない。しかし調査報告によれば、モスクヴィンは幼少の頃にレイプされた経験があること、また子どもの頃に、死んだ11歳の少女にキスするよう強制された経験があり、そうしたトラウマから犯行に及んだという分析もされている。
ナターリアの夫、イゴールはモスクヴィンについてこう述べている。「私はこの国の生ぬるい法律が憎いんです。犯した罪に応じて人は罰せられるべきじゃないでしょうか? あの男は今も病院で眠っているんです。このままではある日きっと、医師たちが彼は完治しました、と告げて、あの男が墓地に戻る日が来るでしょう。できることなら10年前に娘の墓の前であの男と会いたかった。でももし、そこで私がするべきことをしていたら、今頃私が刑務所にいたと思います」
参照:「DailyMail」
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