【閲覧注意】事件ノンフィクショ ンライターが選ぶ「最も不条理な日本のバラバラ事件TOP3」

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【CASE3 福岡美容師殺人事件】

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 女性が女性を殺害し解体したのが、平成6年に起きたこの事件だ。他の犯罪と比べて、バラバラ事件で女性が加害者となるケースは意外と多い。エリートの夫を妻が殺してバラバラにして新宿、渋谷に投棄した事件なども記憶に新しいところだろう。女性の力では、解体しなければ遺体を運べないという要因もあるからだ。

 江田文子(現姓・城戸、当時・38歳)が、殺害した岩崎真由美(当時・30歳)をバラバラにしたのは、恨みもあっただろうが、遺体を投棄して犯行を隠蔽するためだった。だが、彼女の犯行はあっさりと露見してしまう。


■被害妄想から犯行

 事件当時、文子にはタンクローリー運転手をしている夫との間に子どもがいた。家のローン返済の助けにと、福岡市内の美容室「びびっと」を経営する「オフィス髪銘家」で経理事務員として働いていたが、そのうちマネージャーとしての仕事も任されるようになった。だが、「オフィス髪銘家」に出入りする社長の知人の男性と、文子は男女関係に発展。その男性にも家庭があったが、わざわざマンションを借りて一緒に過ごす場所を確保した。

 そして「びびっと」に新しい美容師として入ってきたのが、真由美だ。全国コンクールで優勝するほどの腕前を持つ、利発な女性である。自分の不倫相手が真由美のことを度々褒めそやすので、文子は2人の関係を疑う。興信所に調査を依頼するが、関係はないという結果が出た。だがそれでも文子は納得せずに、自分で真由美を尾行し、無言電話を掛けるなどしていたため、真由美のほうもそれに気づき、仕事場では度々口論となっていた。

 平成6年1月、文子は不倫相手から、マンションを解約して別れようと告げられる。そのため、これは真由美が原因に違いないと、文子は見当違いの怒りを燃やす。

■行き当たりばったりの死体遺棄

 2月27日、文子は真由美を呼び出した。午前11時頃、会社の事務所で顔を合わすと、2人は口論となる。用意してあった出刃包丁を文子は持ち出すと、真由美に斬りかかった。逃げようとする真由美を押し倒し、文子は馬乗りになって何度も刺した。
 
 事務所は社長が自宅としても使っているため、帰ってくるまでに遺体を処理しなければならない。工具箱に入っていたノコギリで、文子は遺体を解体。ビニール袋に入れた各部分をまとめてスーツケースに入れて太宰府の自宅に運んだ。

 3月2日、レンタカーを借りた文子は、学生の頃に行ったことのある、阿蘇山近くの雑木林に向かう。だが行ってみると、そこは開発が進んでおり、別荘地になっていた。仕方なく付近の人気のない場所に、両脚を捨てる。そして、他の捨て場所を探しているうちに熊本駅まで来たため、コインロッカーに胴体を入れた。その後、九州自動車道を走り、玉名パーキングエリアのゴミ集積所に左腕を、山川パーキングエリアのゴミ集積所に右腕を捨てる。頭部が残っていたが、捨て場所を探して走っているうちに自宅近くまで戻って来てしまい、その日がゴミ収集日であることに気付いた文子は、それをゴミ集積所に捨てる。

 翌3日には各パーキングエリアで捨てられた遺体部分が、清掃員によって発見され、4日には熊本駅のコインロッカー内の遺体部分が警察官によって発見された。

 文子は3月15日に逮捕された。遺体の運搬のために利用した高速道路の通行券から、文子の指紋が検出されたことが決め手となった。だが皮肉なことに、自宅近くに捨てた頭部は最後まで出てこなかった。ゴミ収集車に回収されてしまったのだろう。

 公判で、文子は死体損壊遺棄を認めたが、殺害は正当防衛であったと主張。控訴審の間に、手記まで発表している。

 平成11年9月3日、最高裁で殺人・死体損壊遺棄の罪で、懲役16年が確定した。
(文=深笛義也)

■深笛義也(ふかぶえ・よしなり)
1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。18歳から29歳まで革命運動に明け暮れ、30代でライターになる。書籍には『エロか? 革命か? それが問題だ!』『女性死刑囚』『労働貴族』(すべて鹿砦社)がある。ほか、著書はコチラ

※日本怪事件シリーズのまとめはコチラ

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