9.11の映像も自主規制?「子どもに見せられない→規制」は正しいか?

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9.11の映像も自主規制?「子どもに見せられない→規制」は正しいか?の画像1※イメージ画像:Thinkstockより

 日本のテレビ番組と海外のテレビ番組を見比べると、明らかに異なる点がある。日本のテレビ番組では、遺体などが放送されていないのだ。

 たとえば、東日本大震災において犠牲となった方々の遺体を撮影した映像を海外の放送局は放送しているが、日本においてこのような映像を放送したテレビ局は調べた範囲では皆無だった。

 一体なぜ、このような違いがあるのか。法律の問題かと思ったが、そうではなかった。

「これは日本のテレビにおける自主規制のせいです。日本のテレビ局では日本人のご遺体は絶対に放送できません」(テレビ局関係者)

 その自主規制とはどのような内容なのだろう。

「基本的には事件、事故、災害を問わず、ご遺体の映像はたとえ一部であっても放送しないというものです。ミイラ化した遺体などは放送できるケースとできないケースがありますが、少なくとも歴史的な価値があるような数百年前のものに限られます。近年の事件でミイラ化した遺体が見つかった場合はNGです。また、白骨に関しても戦中のものであれば放送できますが、昭和以降の事件で見つかった白骨などは基本的には放送しません」(同・テレビ局関係者)

 通常の遺体は絶対にNGで、白骨化やミイラ化などは個別に対応が異なるようだ。しかし、外国人の場合には対応が違うという。

「外国の方であっても日本で亡くなった場合には、遺体の映像は日本人同様に放送できません。しかし、遺体の発見場所が海外の場合には対応が違います。海外の紛争地域や事件事故などで亡くなった外国人の場合には、程度にもよりますが、そのまま放送できるケースも多いです。ですが、同じ海外で亡くなったとしても、それが日本人であれば放送できません。つまり、日本人の遺体はどのような状況であっても今は全く放送できないんです」(同・テレビ局関係者)

 外国人の遺体は放送できても日本人の遺体は放送できないという不思議なルールのようだが、なぜこのような対応になっているのか。

「今となっては明確に理由を説明できる人はいないと思いますよ。ただ、基本的には視聴者からのクレーム対策だと考えます。かつては当たり前に放送していたわけですが、徐々にクレームが多くなり、少しずつ規制されてきた結果が今の状態だと思います。違法ではないので放送しようと思えばできますが、誰も『そうしよう』とは言いませんね」(同・テレビ局関係者)

 理由は曖昧なようだが、とにかく今は全く放送できないという。このような自主規制は他にもあるのだろうか。

「遺体以外は個別の判断でしょうが、流血しているケガ人などは、あまりに痛々しい場合は映像を放送しないか、映像を放送してもモザイク処理を行なった上でのことになるでしょうね。報道で交通事故の現場などを撮影すれば血だまりを撮ることもありますが、あまりに生々しいと放送では使えないケースも多いです」(テレビ番組関係者)

 たしかに血もあまり見ないが、これは報道の現場だけではなくドラマの世界にも広がっているらしい。

「影響を受けているのは医療ドラマです。医療ドラマにおいて手術シーンは定番ですが、このようなシーンでも今は患者の臓器部分をできるだけ撮影しないというルールがあります。皆無とは言いませんが、以前に比べたらかなり減っていて、代わりに医師役のキャストの顔を撮影するようにしています。あまりに規制しすぎて、一時は手術を終えた医師の手袋に全く血がついていないケースもありましたから参りましたよ」(ドラマ制作関係者)

 フィクションの世界においても“自主規制”が広がっているようだが、医療ドラマ以外にも影響を受けている作品は多いという。

「また刑事ものでも遺体を見せるのは最小限です。遺体の状況は刑事役のセリフなどで説明するようにしています。また、拳銃やナイフで人を傷つける際にも、かつてなら被害者側の様子を撮影して血が流れ出すようなシーンもありましたが、今は加害者側を撮るようになっていて、できるだけ血が見えないようにしています。時代劇などでも血が出るのは最小限に抑えるようになっていますね」(同・ドラマ関係者)

 このような規制はテレビ放映される映画にまで影響を及ぼし、流血シーンがあるとカットされたり、放映そのものを拒否されるケースもあったりすると聞いた。また、医師の密着ドキュメント番組においてもできるだけ血は見せないのが主流らしく、そのおかげで救急救命24時などの医療ドキュメンタリー番組はほとんど制作の許可がおりないそうだ。

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