顔面裂少女が3Dプリンタで「新しい顔」取得へ=米

関連キーワード:

,

,

,

,

 3Dプリンタが注目されている。今までなら絶対に不可能と思われてきたようなものまで、簡単に、正確に、驚く速さで作り上げてしまう。そんな3Dプリンタは今、医学界でも驚異的な活躍をしている。

■手術に3Dプリンタを活用

顔面裂少女が3Dプリンタで「新しい顔」取得へ=米の画像1バイオレットちゃん(2歳) 画像は「YouTube」より

New York Times」紙によれば、アメリカ・オレゴン州に住むピートローク夫妻の双子の娘の1人、バイオレットちゃん(2歳)は、3Dプリンタのおかげで「新しい顔」を得ることができたという。

 2人が生まれたとき、妹のコーラちゃんは健康体だったが、バイオレットちゃんには非常に稀な先天性奇形「テシエ型クレフト(口唇口蓋裂/顔面裂)」が見つかった。胎児のとき、頭蓋骨が正常に多形成されなかったため、目と目の間部分に隙間ができ、顔面裂という状態になってしまったのだ。両目がかなり離れているため、人間というより猛禽類のようなものの見え方となり、鼻には軟骨がないということだ。

 母親のアリシアさんは「(テシエ型クレフトについて)成形外科医ですら、医学生時代に教科書で見たことはあるけれど、臨床で実際に接する機会はほとんどないということです」と「New York Times」のビデオ上で苦悩をにじませて語っている。

 そんなピートローク夫妻の切実な祈りに応えてくれたのが、ボストン小児病院の主任成形外科医ジョン・メアラ医師だ。彼は過去3年間で似たような病状の子どもたち4人の手術を成功させてきた。しかし、バイオレットちゃんを診察したメアラ医師は、彼女の顔の状態が非常に稀であり、「かなり難しい手術になる」と判断した。そこでメアラ医師は、バイオレットちゃんの手術には、3Dプリンターを活用することを思いついたのだ。

■頭蓋骨模型で手術のリハーサルが可能に

顔面裂少女が3Dプリンタで「新しい顔」取得へ=米の画像23Dプリンターで作られた頭蓋骨模型 画像は「YouTube」より

 まず、3Dプリンタで合計4つの頭蓋骨模型を作り、医療チームはそれらを手術の練習台にした。問題のある部位を削ったり、離れている目を引き寄せたり、出っ張っている骨を正常な位置にはめ込んだり。「模型のよいところは、何度もこれで練習ができるところです。今までなら、ぶっつけ本番で患者の頭蓋骨に穴を開けるしかなかったわけですから」(メアラ医師)

 練習の甲斐あって昨年10月、10時間以上に及ぶ大手術は成功し、バイオレットちゃんの頭蓋骨は無事再建された。今後さらに瞼の修復や鼻の軟骨の形成、眼をさらに引き寄せる手術が必要となるが、3Dプリンタによる頭蓋骨模型のおかげで、まずは成功の第一歩を踏み出したといえるだろう。今のままでも十分愛らしいバイオレットちゃんだが、今後どんな風に美しく成長していくのか、手術の経過の続報があればまた紹介しよう。

 アリシアさんはうれしそうに語っている。「いつの日か娘に言ってあげたいの。『知ってる?あなたは、この3Dプリンタを使った画期的手術の一番乗りだったのよ。それってすごくクールじゃない?』って」
(文=佐藤Kay)

参考:「New York Times」、「Medical Daily」、「BBC」ほか

顔面裂少女が3Dプリンタで「新しい顔」取得へ=米のページです。などの最新ニュースは知的好奇心を刺激するニュースを配信するTOCANAで

18歳未満閲覧禁止

ここから先のコンテンツには、過激でグロテスクな表現と画像が含まれます。そういったものが苦手な方は、強い精神的不快感を覚える可能性があるため閲覧はお控えください。また、18歳未満の方の閲覧を禁止いたします。閲覧される方は必ず各自の責任を持ってご覧下さい。

閲覧しますか?