「歌舞伎町でキョロってる人間は…」最大年商約8億円“ぼったくりの帝王”が語る、深刻化する新宿・悪徳ビジネス

 案内される店の料金システムは、セット料金を採用しているところがほとんどだ。

 それに加え、女の子の飲んだドリンク代や頼んだおつまみにサービス料、テーブルチャージやボックスチャージ、ミュージックチャージ、あるいは自動延長制など店が独自に設定した料金が累計に加算され、最終的に膨大な金額となってしまう。チャージは店に入った時点、席に座った時点で発生するため、「1杯で出る」「10分で出る」「水しか飲まない」場合でも、きっちりワンセット分の請求は行われる。

 それでも何か交渉の余地はないものだろうか。

「確実に突けるのはタックス(税金)ですね。現在、法律で定められている税金は8%の消費税しかない。そこで、タックスに20%がつけられていたら、12%は支払う必要はないと主張できる。またキャッチとのやりとりや、入店時に店員に料金システムの説明を求めて録音しておくのも有効です。まちがっても大声で騒いだり、その場から逃げてはいけません。騒げば威力業務妨害、逃亡すれば無銭飲食にされてしまうこともあります」

 消費税導入前は、飲食に関しては料理飲食等消費税が課せられていたが、現在は廃止されている。正確な情報を持つことは、ぼったくり対策としては重要だ。

 そもそも、ぼったくり被害に遭いやすいタイプはいるのだろうか。

「我々の業界用語では“テッパン”(鉄板=固い=確実に入る客)と呼ばれる人間が狙われますね。あまり場慣れしていないのに、刺激を求めてキョロキョロしているような人間に声をかけます。歌舞伎町で遊ぶなら目的の店を決めてサッサと早歩きで向かうくらいの方がいいでしょう。興味本位、冷やかし半分でうろつくのもいけません。とにかく、キャッチは相手にしないことが鉄則です」

 歌舞伎町で女性がいるまともな店で飲もうと思ったら最低3万円はかかると言われる。4~5千円で飲める店などまず存在しないと相場を知ることも必要だろう。
(取材=平田宏利)

影野臣直(かげの・とみなお)
1959年大阪府生。大学進学を機に上京し、歌舞伎町でぼったくりチェーン店の運営を行う。99年に摘発され懲役4年半の実刑判決を受ける。出所後は、人脈を生かし、トラブル解決のネゴシエーター(交渉人)活動などを行う。05年「歌舞伎町ネゴシエーター」(河出書房新社)で作家デビュー。06年には刑務所体験をもとにした「刑務所(ムショ)で泣くヤツ、笑うヤツ」(河出書房新社)を上梓。小説執筆のほか、ノンフィクション、Vシネマ原案・出演などもこなす。

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