【戦後70年】「なぜ天皇は戦犯にならなかったのか?」という疑問に対する現代の視点

 毎年8月になると、戦争の話になる。陰謀の世界からいえば、戦争とはさまざまな陰謀の1つの結果ということに他ならない。戦争になるように、または戦争にならないように、数々の主体が、多様な考え方のもとに陰謀を巡らすのである。今年は戦後70年ということで、太平洋戦争に関する陰謀を少しご紹介することにしよう。

 太平洋戦争中には数多くの陰謀が渦巻いていた。その結果として戦いがあり、勝者と敗者ができる。戦争はスポーツではないから、当然「スポーツマンシップ」のようなものはない。情報戦、工作戦、そして経済戦や資源戦として「商船破壊」などが平然と行われたのである。他国を占領したり商船を破壊すれば、当然、犠牲となる民間人も出てくることになる。そして、「戦犯(戦争犯罪人)」という考え方が生じることになる。


■戦犯の分類「A級・B級・C級」、誤解されている事実

【戦後70年】「なぜ天皇は戦犯にならなかったのか?」という疑問に対する現代の視点の画像1極東国際軍事裁判の被告席 画像は「Wikipedia」より引用

 さて、先の大戦において戦犯とされた人物たちは「A級」「B級」「C級」というように区別されている。しかし、ここには多くの誤解があるのだ。アメリカの殺人事件などでは、社会的影響や残虐性などから「一級殺人」「二級殺人」……と分類されるため、日本人の多くは、戦犯たちも同様にその残虐性や責任の重さによって「A級」「B級」「C級」と分けられたのではないかと思っている。しかしこのA・B・Cという「級」は、保護法益の違いを示す分類であり、罪の重さの序列を示す趣旨のものではない。つまり、これらのアルファベット自体は、A級戦犯の罪がB・C級戦犯より重いとも、重くないとも、示すものではないのだ。

 では、「A級」とは何を意味しているのだろう。極東国際軍事裁判所条例の第五条の(イ)「平和ニ対スル罪 即チ、宣戦ヲ布告セル又ハ布告セザル侵略戦争、若ハ国際法、条約、協定又ハ誓約ニ違反セル戦争ノ計画、準備、開始、又ハ遂行、若ハ右諸行為ノ何レカヲ達成スル為メノ共通ノ計画又ハ共同謀議ヘノ参加。」この条文は、英文では同条(イ)が(a)となることから、5条a項を犯したものとしてA級戦犯と呼ばれたわけだ。要するに、極東国際軍事裁判所条例の項目のアルファベットからそのまま名づけられたに過ぎない。同様に、B級戦犯やC級戦犯とは、極東国際軍事裁判所憲章第6条b項「通例の戦争犯罪」、c項「人道に対する罪」に違反した者のことを言うのだ。

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