「歯のない娼婦」をバラバラに!!  連続殺人鬼フリッツ・ホンカの特殊な性癖

「歯のない娼婦」をバラバラに!!  連続殺人鬼フリッツ・ホンカの特殊な性癖の画像1※動画:「YouTube」より

 1975年7月17日午前4時、ドイツの港町ハンブルクの風俗街の近くに建つアパートで火災が発生した。通報を受けた消防隊は狭い道を通り、到着。消防士たちは、アパートのドアを壊して中に入った途端、悪臭に顔をしかめた。部屋には人肉が焼けこげている臭いに加えて、何とも表現しがたい強烈な臭いが充満していたのだった。

 消防士は、逃げ遅れた人か閉じ込められたペットが焼死したのではないかと思いつつ、鎮火後、臭いがしていた最上階の屋根裏部屋に侵入。そこで臭いの原因と考えられるビニール袋をふたつ発見した。それらの袋の中には、腐敗がかなり進んだバラバラになった遺体が入っていた。消防士たちは動揺しながらも、ほかにも袋があるのではないかと捜索。そして、ほかにも切り取られた女性の乳房や太ももなどを集めた袋を発見した。

■遺体発見が昔の事件を解決する糸口に

 現場に駆けつけた刑事は4年前、ここから300m先の空き地で女性の遺体の一部が発見されるという未解決殺人事件と関連があるのではないかと色めきたった。この事件は、頭部や手などバラバラになった女性の遺体の一部が地中にまとめて捨てられていたというもの。警察はすぐに殺人事件として捜査を開始したが、腐敗が凄まじかったため生前の顔がわからず、指紋も採取できず、身元判明は困難を極めた。

 そこで警察は当時最高の科学技術だった「頭部の皮膚の下にパラフィンワックスを注入し、形を整え化粧をし、生前に近い顔を作り」写真を撮影。それを手に聞き込みを行った。そのかいあって、被害者はパートで美容師として働き、娼婦もしていた43歳のガートルド・ブロイアーだと判明した。

 だが、遺体の身元が判明したものの、風俗街で働く女性がある日忽然と消えても誰も詮索しないためか、ガートルドが最後誰といたかなどは分からずじまいだった。刑事は、「犯人は近くに住んでいる可能性が高い」と考えたが、それ以上の情報を得ることはできず、事件はそのままコールドケースの仲間入りをしていた。

■捜査線上に浮かび上がる“小柄すぎる男”

 この事件から4年後、アパートの火事がきっかけとなり、複数体のバラバラ遺体が発見された。刑事はガートルドの残りの遺体はここにあると確信。事件は早く進展するだろうと密かに期待していた。

 このアパートの屋根裏部屋は空き部屋だったが、その隣の部屋にはフリッツ・ホンカという40歳の夜間警備員が住んでいた。ドイツは、男性の平均身長が180cmだが、フリッツは165cmと小柄、また世間に不満を抱えているような醜い顔をしていた。一度見たら忘れられないような風貌のため、地区をパトロールしていた地元警官は彼のことを知っていたが、重犯罪をするような男ではないと見くびっていたという。刑事は焼けこげた屋根裏部屋を、心配そうに覗くフリッツを拘束。警察署に連行し、尋問を開始した。

■フリッツ・ホンカツの生い立ち

 フリッツは1935年7月31日、9人兄弟の上から3番目に生まれた。大家族だったため、家庭は貧しく、彼は生後間もなくして孤児院に預けられた。当時のドイツは殺伐としており、孤児院の生活も暖かいものではなかった。またフリッツにはどもりがあり、また斜視のような目やつぶれたような形の鼻などの外見をネタにされ、学校でいじめを受けていた。

 父親はフリッツを孤児院から呼び戻すこともあったが、重度のアルコール依存症だったため、彼の世話を一切することなく、それどころか幼い彼に無理やり酒を飲ませることもあった。度々暴力も振るわれていたためか、幼いフリッツは暴れる父親に恐怖心を抱きながら酒を飲み続け、大人になる頃には父親同様の大酒飲みへ成長していた。

 目立たぬようにと怯えながら成長したフリッツは働ける年になると、ドイツ国内を転々とし肉体労働者として働いた。ハンブルクに来たのは1956年、彼は21歳になり、賃金の良い仕事を港で見つけ、定住するようになっていた。


■家庭を持つも止まらない飲酒

 この翌年、フリッツには恋人ができ結婚。妻もフリッツ同様、酒豪でふたりは毎晩浴びるように酒を飲んだ。妻との間には息子も誕生したが、フリッツは酒が原因で失職。大黒柱の収入がなくなったため、それまでの住居からは追い出され、一家3人はホームレスシェルターに入った。シェルターはひどい場所で、住民たちは酒を飲んでは殴る蹴るの喧嘩を日夜繰り広げていた。

 その時には、フリッツと妻は離婚したかと思えば復縁するなど、複雑な関係を継続していた。しかし、結局フリッツの浮気が原因で妻は彼の元を去っていった。フリッツは自分の浮気を棚に上げ、妻に見捨てられたと激怒。時が経つに連れ、怒りの矛先は、元妻から世の中の女性全員へとシフトし、彼は何気ないことですぐに怒り出すようになった。独り身になった彼は港に戻り、夜間警備員として働き出し、風俗街近くの小さなアパートも借りた。フリッツはこのアパートをポルノ雑誌の切り抜きと人形で飾った。

■離婚がきっかけで目覚める狂気

「歯のない娼婦」をバラバラに!!  連続殺人鬼フリッツ・ホンカの特殊な性癖の画像2※被害者の画像画像:「Murderpedia」より

 妻と離別した後、フリッツは近所にあった風俗街に通い、意気投合した好みの娼婦を、「近くに住んでいるんだ」と誘い出していた。そして1969年、彼は43歳のガートルド・ブロイアーを家に呼び寄せることに成功。夜はいちゃつきながらセックスを楽しんだが、朝に求めたところ拒否されたため、「バカにされた」と逆上し、首を絞めて殺してしまった。

 これがフリッツの最初の殺人だとされている。初めて殺人を経験したもののフリッツはとても冷静だった。すぐに、「こんな重いものひとりでは運べない」とノコギリで遺体をバラバラにすることにした。しかし、バラバラにしても全体の重量は変わらない。フリッツは遠くに運ぶのは諦め、アパートの近くにある空き地に穴を掘って捨てた。そして、埋めた以外の部位を使われていない屋根裏部屋に隠した。しばらくして空き地に埋めた遺体が発見されたが、彼が容疑者して疑われることはなかった。

■凶行は止まらず続出する犠牲者たち

 罪が露呈しなかったことで、完全犯罪をしたと自信をつけたフリッツは、本性である暴力的な性格を表に出すようになった。風俗街でも酒の力を借り、威圧的な態度をとるようになった。そのため、彼の家でセックスした後、ストッキングで首を締められ、命からがら逃げ出した娼婦も出てきた。さらには、強姦されたと激怒する娼婦もおり、警察に届けを出したルース・ドュフラに対する強姦罪で有罪にもなっている。この事件で、フリッツは4000マルクを払うはめになったが、刑務所入りは逃れた。このように歯止めがきかないほど暴力をふるい、女性を性的に支配しようとしたフリッツだったが、女性たちにバカにされているという気持ちはなくならず、それどころか強くなる一方だった。

 その後、1974年9月6日、フリッツは54歳の娼婦アナ・ボイシェルを家に連れ込み暴力的なセックスをしようとした。しかし、激しくて抵抗されたため、ついカッとなり殺してしまう。最初の殺人で外に捨てた遺体の一部が発見されたことを思い出したフリッツは、外に捨てることはやめ、バラバラにした後屋根裏部屋に運び隠した。

「歯のない娼婦」をバラバラに!!  連続殺人鬼フリッツ・ホンカの特殊な性癖の画像3※被害者の画像:「Murderpedia」より

 数日後、遺体は腐敗し、凄まじい異臭を放つようになり、アパートの他の住民の間で話題になった。警察に通報した者もおり、調査にきた警官は屋根裏部屋に隣接するフレッツからも話を聞いている。だが、フリッツは動揺することなく、「このアパートには外国人が住んでいてね。いつも妙な臭いのする料理を作って食べているんだ。それじゃないか?」と話すと、警察は納得してそれ以上の調査をすることはなかった。フリッツ自身は悪臭を気にしなかったが、問題が大きくなることを気にかけ、家に大量のトイレの芳香剤を置くようになった。

 そして同年12月、フリッツは57歳の娼婦リタ・ロブリックを家に連れ込み殺害。またバラバラにして屋根裏部屋に隠した。4つ目の事件はその1カ月後の1975年1月に起きた。52歳の娼婦ルース・シュルトを家に連れ込み、ジンの瓶で頭を殴り気絶したところを絞殺。ルースの体は大きかったため、「屋根裏部屋に運ぶだけで疲れてしまいそう」だと思い、自分の部屋の中に隠すことにした。

■フリッツの特殊すぎる性癖

 誰も、偽名を使いつつその日暮らしの生活を過ごす4人の娼婦を探す者はおらず、フリッツは完全犯罪を積み重ねているように見えた。しかし、下の階の住民が蝋燭を灯したまま外出し、それが倒れたため、火事になってしまい、全てが露呈してしまったのである。

 なお、被害者の年齢が高いのには深い理由があり、フリッツが性交渉よりもフェラチオを好む性癖があったからだ。しかし、下手をすれば噛まれるという恐怖心もあった。そのためフリッツは、「歯のない娼婦」を探して、寝ていたのである。また彼は自分より背の低い女性を好んだ。ドイツ人女性の平均身長は168cm。165cm以下で歯のない女性という条件をクリアするのは、50歳以上の娼婦しかいなかったのである。

 刑事は屋根裏部屋に隣接する部屋に住むフリッツを拘束。彼が連続殺人犯だと刑事は確信していたが、屋根裏部屋にはアパートの住民全員が自由に出入りすることが可能だったため、起訴するには証拠が必要だった。科学捜査がそれほど発達していなかった時代だっため、刑事は自白させようと尋問を続けたが、フリッツのIQは低く、あまり喋らない上にどもりまである。尋問は困難を極めた。

 なんとかして証拠を見つけるしかないとフリッツの部屋に戻った刑事たちは、部屋の中に強い悪臭が残っていることに気がつき、部屋中を探してルースの遺体を発見。これが決め手となりフリッツは殺人罪で起訴された。

■フリッツ・ホンカの最期

「歯のない娼婦」をバラバラに!!  連続殺人鬼フリッツ・ホンカの特殊な性癖の画像4※画像:「Murderpedia」より

 裁判でフリッツは「切り裂きジャックからメッセージを受け取った。殺したのは自分ではない」と精神が異常な状態だったと主張したが、「犯行時は正気だった」と見なされ、立証できた1件の殺人罪で有罪となった。そして、ドイツで最も重い刑である終身刑が言い渡された。

 精神科医の中にはフリッツは知能が低いだけでなく、精神的な疾患があると診断する者がいた。殺害するという意思はあったが、遺体を自分が住んでいるすぐ側に置いておくなど、あまりにも幼稚で浅はかだったためだ。この診断は考慮され、フリッツは刑務所の精神病棟に移送された。

 そして精神病棟に移り15年後の1993年。58歳になっていたフリッツは仮釈放されピーター・ジェンセンという名前で老人ホームに入居。その5年後の1998年亡くなった。享年63歳だった。

【シリアルキラー・猟奇殺人 完全紹介シリーズはコチラ】

参照:「murderpedia.org」「YouTube.com」「tumblr.com」

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