濱田岳は日本の自殺率を下げる!? au『三太郎』シリーズでの発見

――芸能記者兼・テレビウォッチャー加藤が「なんかヘンだよ、この芸能人。このテレビ番組、ちょっとアレじゃない?」と感じた時に書くボヤキコラム
仕事より趣味に力を入れるハマちゃんを主人公とした映画シリーズ『釣りバカ日誌』が完結して5年経つ。多くのファンを惹きつけ正月映画の定番となっていた作品の終了に、ファンからは悲嘆にくれている声が上がった。そんな多くのファンに愛されていた作品が、テレビ東京系列ドラマとして10月に復活する。タイトルは『釣りバカ日誌~新入社員 浜崎伝助~』。主演は濱田岳が務めることがわかった。彼は昨年、NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』で主演の岡田准一演じる黒田官兵衛の筆頭家老・栗山善助を名演。さらには2015年上半期CM露出量ランキングでも、昨年の431位から2位に順位を上げるなど、存在感を増している。
1988年生まれの濱田は現在27歳。クラスにひとりはいそうな普通の顔。身長は160cmと低いが、どこか朗らかで落ち着いた雰囲気を持っている。イケメンだらけの日本若手俳優陣の中では異質な存在といえるだろう。
ドラマや映画を作る際に、重要視されるもののひとつとしてキャスティングが挙げられる。恋愛ドラマであれば、女性視聴者はかっこいい男性の告白やキスシーン、胸キュン必至なキラキラシーンを求める。医療ドラマや刑事ドラマでも、かっこいい男性の正義感だったり、仕事人的なキリリとした表情だったりを追い求める。だから、かっこいい俳優が売れ、同じような理由でかわいらしい女優がキャリアを積んでいく。その世界観に濱田が含まれることはない。
濱田の魅力は日本人男性の小市民的純粋さを兼ね備えているところにあると感じる。企業別CM好感度ランキング1位のau『三太郎』シリーズでは、濱田演じる金太郎が自虐的にかっこいいトモダチの桃太郎と浦島太郎に悩みを打ち明ける。
「オレってイケてないなと思う。おふたりともストーリーがメジャーですよ。竜宮城行き~の、鬼ヶ島行き~の。オレが何かやったか、言ってみ?」
バブル崩壊以降でも、かっこいい芸能人たちはたくさんのCMに出演し、日本の消費をリードしてきた。消費者もそのメジャー志向に乗ろうとしていた。それでも、景気がバブル期以上に上向くことはなかったし、今後もないだろう。メディアが求める消費行動に伴うだけの懐を多くの市民たちは持ち合わせていない。だからかどうかはわからないが、先進国の中で、日本は幸福度ランキング最下位。自殺率も上位にランクされている。
一億総中流の時代は終わり、所得格差と消費格差が始まっている。エンターテインメントに関しても、ターゲット層の細分化が進んでいる。にもかかわらず、偉くなった苦労知らずのバブル世代が今でも無理矢理に消費を促そうとしている。そこから漏れた層に“不幸な人間”というレッテルを貼ろうとしている。妬み嫉みを持ちつつも懸命に暮らす小市民の存在をなきものにしようとしている。
濱田は小市民の思いを背負った役者だと思う。低身長でフツメン。サラリーマンになったとしても、偉くはなれなさそうな風貌をしている。濱田が俳優として頑張ってくれれば、小市民も頑張ろうと思うはずだ。そうすれば、日本の自殺率も下がっていくに違いない。
(文=加藤宏和)
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