ホーキング博士「地球は宇宙人に侵略される」「ブラックホールに落ちても必死で漕げば抜け出せる」


■「障がい者であるおかげで研究や思考実験に打ち込めた」

tenerife2.JPG画像は「El Pais」より

 インタビューでは、ホーキング博士はこの他にもいくつか興味深い発言を行なっている。「優秀な科学者であろうとし、同時に神を信じることについてどう思いますか?」という問いにも積極的に回答している。

「私は“神”という言葉を、アインシュタインがそうであったようにこの世を支配する“自然法則”という意味で使っています。科学的な物理法則は宇宙の起源をじゅうぶんに説明し得ます。(宗教的な)神を持ち出すまでもないのです」(ホーキング博士)

 一見、宗教を否定しているような発言にもとられかねないが、あくまでも理論物理学者として宇宙の成り立ちを考える際には宗教的な神は考慮に入れていないということだろう。また最近発言が増えてきているブラックホールについての見解や、人工知能(AI)の危険性についても改めて言及している。

「ブラックホールに吸い込まれるのは、カヌーに乗ってナイアガラの滝に落ちることに似ています。必死でオールを漕げば抜け出せるのです。ブラックホールはいわば究極の“リサイクル・マシーン”で、飲み込んだものを再構成してもう一度同じものを出現させます」(ホーキング博士)

「今後100年間のどこかの時点でAIは人間の能力を超えていきます。そしてこの人工知能の目的は我々人間を“余所者”にすることだと気づく必要があるのです」(ホーキング博士)

 インタビューはさらに普段なかなか訊く機会のない種類の話にも及んでいる。博士と同じように車椅子を必要とする人々へのメッセージも求められたのだ。

「身体の障がいがあまりマイナスにならない理論物理学という学問に身を捧げてこられたこと、著書がベストセラーになったことなど、私はラッキーでした。障がいを持つ人々に対するメッセージは、自分の障がいがマイナスにならないことに集中して、それでも妨げられることには決して悔やまないでくださいということです…(中略)…実際、私は障がいを持っていることで、ある意味助けられています。教鞭を執ったり退屈な会議に出席することを義務づけられて無駄な時間を浪費することなく、研究や思考実験に打ち込めるんですから」(ホーキング博士)

 これはまさに逆転の発想というべきだろうか。障がい者であることで、身の回りのことを考えなくて済む(考えても仕方がない)という“利点”を最大限に活かして研究に身を捧げるとは、さすがは希代の天才物理学者である。引き続き今後も時折メディアに登場すると思われるホーキング博士だが、次にどんな示唆に富んだ発言を行なってくれるのかにも注目したい。
(文=仲田しんじ)

「“La raza humana tendra que salir de la Tierra si quiere sobrevivir”」 動画は「El Pais」より

参考:「Mirror」、「El Pais」ほか

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