未来の蘇生を信じて、2歳の少女が冷凍保存 ― 史上最年少の冷凍、値段や状態は?

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cryogenicallypreserved2.JPG画像は「BBC」より

■世界最年少の冷凍保存

「明るく、活発だった」というマセリンちゃんは“エン”という愛称で周りの人たちからたくさんの愛情を受け成長していたという。BBCのインタビューに答える両親は、切なそうに「娘を亡くした悲しみが癒えるにはまだ時間が必要」と語っており、冷凍保存することが未来への希望になっているということだ。

「アルコー延命財団」は米国アリゾナ州を拠点に、人体冷凍保存の研究・開発を目的とした非営利団体である。マセリンちゃんの両親から依頼を受けたアルコー延命財団チームはタイ・バンコクに飛び、マセリンちゃんの生命維持装置が切られると同時に初期凍結処理を開始、組織損傷を受けることなく深い凍結状態にするためすぐさま体液を排出し、凍結液を注入した。その後、特別に設計された棺で脳を摘出すると、-196℃に冷凍したまま米国へ輸送したのだ。現在は液体窒素で充填された真空断熱容器で保管されているというマセリンちゃん。彼女はアルコー延命財団の134人目の患者であり、最年少の患者であるという。

 父親であるサハトム氏は医療エンジニアという立場から400~500年はかかるだろうと思われている“人体蘇生技術”も早ければあと30年ほどで実現されるのでは、と考えており、母親のナレーラさんも長男を出産後、子宮を摘出しているのだが体外受精でマセリンちゃんを授かっていることから医学の発展を信じているということだ。

 アルコー延命財団は冷凍保存までの施術と保管は請け負うが、蘇生に関しては、なんら保障はしていない。また脳の冷凍保存には、年間約950万円の保管料と別途年会費がかかるという。しかし、蘇生に成功した場合、冷凍保存された脳は「記憶」「人格」などが残っている可能性があるといい、マセリンちゃんの両親はたとえ体が変わっていても愛する娘に再会できることを心から待ち望んでいるのだ。

cryogenicallypreserved3.JPG画像は「BBC」より

 これらの手順は残酷に聞こえるかもしれないが、マセリンちゃんの両親はそれこそ、藁にもすがる思いで行ったことである。愛娘を失った深い哀しみは今も癒えることなく、彼女を想い、涙を流さない日はないという父親は「マセリンをこの手で感じることができなくても、私たちは変わらず家族であり続ける」と語っている。

 2歳の少女の脳は遠く離れた米国の真空断熱容器の中で、両親に再び会える日を待ちわびているのだろうか。そして彼女が目覚めた時、その目に映る世界はどのような未来なのであろう。
(文=遠野そら)

「Parents hope ‘frozen’ child will live again – BBC News」 動画は「BBC」より

参考:「BBC」、「Mirror」、「Oddity Central」ほか

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コメント

1:匿名 2016年9月12日 21:01 | 返信

まさかアルコー?と思ったらアルコーwww
「人体冷凍 不死販売財団の恐怖」という内部告発の本は面白いよ

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