奇習! 若い肉体を老人に捧げた後、地獄をみた元・美人娼婦 ― 伊豆の集落を徘徊するオハナちゃんの話

「まあ、いろいろと嫌なことを忘れる上でも、元の生活に戻ろうって思ったんじゃないかな。けれども、それまでよりも質の悪い客もお構いなしにとるようになったらしくてね。そうこうしているうちに、梅毒かなんかにかかっちまったそうだよ。
だけども、オハナちゃんは治療なんかしないし、お医者なんか行きやしない。そのまま商売を続けていたようだよ。そしたらだんだん悪くなってしまってね、いざちゃんとしたお医者に担ぎ込まれた時にや、もう頭までおかしくなっちまったそうだよ」
医者による賢明な治療の甲斐あってか、ひとまず、生命の危機は逃れたものの、何らかの病によって蝕まれ続けた彼女は心身ともに回復することはなく、床から起きられるようになった彼女は、前出の奇行を繰り返すこととなったそうだ。
「頭がああなっちゃった後にさ、ここいらに来るようになってからもね、三つ子の魂百までっていうのかな。ある時、客をとろうとしてたことがあってさ。そういうことが起きるようになってから、なおさら厄介ごとにかかわりあいになりたくなくて、みんな、オハナちゃんの姿が見えると、家の中に隠れるようになったんだよ。そうだな、そうなってから3カ月は経ってないと思うんだけども、ここからもう少し行ったところにある岬にね、土左衛門となって打ち上げられたっていう話さ」
伊豆半島といえば、かつて、“唐人お吉”の通名で知られた芸者・斎藤きちが、日本の初代アメリカ総領事タウンゼント・ハリスとの関係が元で、非業の最期を遂げた話が残っているが、土屋さんたちが目撃したオハナちゃんは、まさにお吉の人生をなぞるかのようなものであったようだ。
(文=戸叶和男)
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コメント
オハナさん、、。
自分が子供の頃に見かけましたよ。
着物姿で道に座り歌を唄ってました。
中学卒業して芸者、ねえ。
1960年代なかばにアラフォーなら、オハナちゃんが学校に通っていたのは戦前だね。
そのころの中学は男しか通えないんだよねえ。
当時の中等教育はそれなりのご家庭じゃないと受けられないエリートコースだしね。
戸叶さん、戦前も小学校6年中学校3年の義務教育だったと思ってるでしょ?