人間は過去60年間でどれだけ宇宙を汚してきたのか? 絶望の動画が公開される

 近年、深刻な国際問題として急速に認知されるようになった「宇宙ゴミ(スペースデブリ)」。打ち上げに使われたロケットの破片や、今は使われなくなった人工衛星、そして宇宙飛行士が落とした機材など、大小さまざまな宇宙ゴミの総量は、今や4,500トンを超えると考えられている。それぞれが地球周囲の異なる軌道上を超高速で飛び回っているが、もしも国際宇宙ステーションや活動中の人工衛星に激突すれば大惨事となることが予想されるほどのすさまじい破壊力を持つ。

人間は過去60年間でどれだけ宇宙を汚してきたのか? 絶望の動画が公開されるの画像1イメージ画像:「Thinkstock」より

 1957年に人類初の人工衛星、旧ソ連の「スプートニク1号」が打ち上げられ、それと同時に宇宙に初めてゴミが投棄されて以来、米ソの宇宙開発競争、そして国際宇宙ステーション(ISS)の建設を経て、さらに近年では中国やインドによる積極的な宇宙開発も加わった結果、現状で宇宙ゴミ(10cm以上のもの)の総数は20,000個を上回り、各国の宇宙機関が常時監視する必要に迫られているほどだ。日ごろ宇宙とつながりのない生活を送っていると思っても、GPSや放送など、実はこの宇宙ゴミは世界中の人々の暮らしに多大な影響を及ぼす可能性を秘めているのだ。

 そして、この緊迫した事態を人々に訴えるため、過去60年近くの間にどれほど宇宙ゴミが増えてしまったのかを映像で可視化し、英国王立科学研究所のイベントで披露したのが、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのスチュアート・グレイ博士だ。

 博士が昨年12月20日に公開した動画は、わずか1分という短いものだ。しかし、1957年から2015年に至るまでの時間を早送りしていくと、あっという間に地球が宇宙ゴミで覆い尽くされてしまう。しかも宇宙ゴミの分布は、地球周囲の相当な広範囲にまで及ぶ。宇宙ゴミを表す白い点が、地球とのサイズ比で実物よりかなり大きく表示されていることは間違いないが、それにしてもこれは絶望的な状況のように感じられる。

 動画はNASAの宇宙飛行士マイケル・ロペス=アレグリア氏がツイッターで紹介したことで一気に拡散、現在数々の海外メディアで報じられ、人々に宇宙ゴミの深刻さを気づかせているようだ。なお昨年初頭には、テキサス大学オースティン校の学生が、宇宙ゴミの軌道や速度などのデータをすべて反映したインタラクティブなサイトを制作、こちらも会心の作となっている。

 今後、さらなる宇宙開発推進の前提として、人類はこれらのゴミをどのように処理(回収)するのか、そして何よりもゴミをこれ以上増やさないために何ができるのか、叡智を結集する必要があることは誰の目にも明らかだ。
(編集部)


参考:「The Daily Mail」、ほか

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