『教団X』で話題の芥川賞作家・中村文則の安倍政権批判、改憲阻止の決意に震えた! この危機感を共有せよ!

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 はっきりいって、これほど的確にいまの時代の危機を表し、これほど切実に憲法を守ることの必要性を訴えかける文章を最近、読んだことがない。これはおそらく、中村が平和や人権をたんに戦後民主主義の教条としてとらえるのでなく、自分が生きてきた時代や体験のなかで咀嚼し、つねにその意味を更新しつづけてきたからだろう。

 しかも、中村がスゴいのは、最近の小賢しい小説家なら絶対に敬遠するようなリアルポリティクスにまで踏み込んだ発言を行っていることだ。中村は参院選をにらんで、こう語っている。

〈現与党が危機感から良くなるためにも、今最も必要なのは確かな中道左派政党だと考える。民主党内の保守派は現与党の改憲保守派を利すること以外何をしたいのかわからないので、党から出て参院選に臨めばいかがだろうか。その方がわかりやすい〉

 時代の変化、空気を把握したうえで、徹底的に民主主義と人権を守る側に立ち、リアルな政治にまみれることも怖がらない――。私たちは、中村のような論客をこそ待っていたのだ。

 中村には、ぜひこれからも、小説と並行して、こうした鋭い社会時評を書いていってほしい。そして、ひとりでも多くの読者が中村の文章を読み、ひとりでも多くの国民がその危機感を共有してくれることを願う。

 最後に、この一文の中にあった読者への呼びかけともとれる、文章を紹介しよう。

〈大きな出来事が起きた時、その表面だけを見て感情的になるのではなく、あらゆる方向からその事柄を見つめ、裏には何があり、誰が得をするかまで見極める必要がある。歴史の流れは全て自然発生的に動くのではなく、意図的に誘導されることが多々ある。いずれにしろ、今年は決定的な一年になるだろう〉
(水井多賀子)

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