「ネット上に流した情報は永遠に残る」は本当? サイト管理者が亡くなってしまった「故人サイト」は、その後どうなってしまうのか

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 ワイルズさんの残した闘病記は、同じように病に臥せっている人はもとより、いまは元気に暮らしている人にも「生きるとはどういうことか」という大切なことを教えてくれている。このように「ワイルズの闘病記」を読んだ人がいまでも何かを感じることができるのも、ご両親が故人の意思を引き継ぎ、サイトの管理を続けているからに他ならない。

 故人の思いを、残された者たちが引き継ぐケースでは、音楽家の玉木宏樹さんのツイッターアカウント(@tamakihiroki)もあげられる。杉良太郎や里見浩太朗、松方弘樹らが出演したテレビドラマシリーズ『大江戸捜査網』(テレビ東京系)のテーマ曲でも知られる玉木さんだが、2012年に肝不全でこの世を去った。しかし、そのツイッターアカウントは死後も更新を続けている。玉木さんは生前「純正律」という音楽理論の普及に尽力していたのだが、ツイートの内容は、この「純正律」をはじめ、音楽的な教養を伝えるものである。

 どうして故人の教えがいまもつぶやかれ続けているのか。実は、玉木さん亡き後にアカウントを運用しているのは、玉木さんを中心に設立されたNPO法人・純正律音楽研究会の事務局スタッフ。生前に玉木さんが熱い思いをもっていた純正律の啓蒙活動への意思を引き継ぎ、彼の著書から記述を抜粋してツイートが行われていると言う。

 以上見てきたように、サイト管理者が亡くなった後のサイトには色々な「その後」をたどったものがある。このようなサイトを覗きに行くことに関しては、ひょっとしたら「悪趣味」との批判もあるかもしれない。しかし、先ほどあげた「ワイルズの闘病記」を見ても分かる通り、我々がそこから学ぶことは多くある。故人が残してくれたメッセージから「いまを生きる」ことの大事さを学び取る。インターネットとは、「死」を間近に見ることのなくなった近代社会に生きる我々にとって「死生観」を考えさせてくれる数少ない場にもなりつつあるのかもしれない。
(田中 教)

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