中国の「人間・遺伝子組み換え」は大丈夫!? ノーベル賞濃厚技術「クリスパー」と人体改造についてサイエンスニュースが語る!

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0219int7_hon.jpgイメージ画像:「Thinkstock」より

――逆に、大人になってからは、遺伝子に変異が起きたり、起こしたりすることはないのでしょうか?

山下 ある遺伝子が子どもの頃には正常に働いているけど、それが大人になると暴れるというならがん細胞とかそうですね。

川口 糖尿病のなりやすさとかも、歳を取ると突然遺伝子が発動してっていうものだね。あと、スイッチが入る入らないでいえば、抜け毛とかもそう。

山下 遺伝子は僕らが生まれてから死ぬまでに、いつも同じように働いているわけではなく、適材適所で随時働いてます。それが利用できれば、例えば僕がずるっとはげちゃったとしても、遺伝子のスイッチを入れて髪が生えさせる、みたいな話はできるかもしれないです。簡単ではないでしょうけど。


■“人間”が完全に解明されることはあるのか

――2003年にヒトゲノムの解析が完了した際に、人間のことは全部わかるようになるんじゃないかと期待したんですが……

山下 科学者もそう思ってたんですよ、でも、全然大変だったんです。簡単に言うと何万とかの遺伝子がわかれば全てがわかると思ってたんですけど、それだけではダメだったんです。遺伝子の前後にある並びとか配列とかが、相互に複雑に関係していたんです。

 タンパク質の情報として、意味のあるところだけわかればいいと思ってたんですけど、そうではなくて、意味がないと思ってた部分にも意味があるということが、どんどん分かってきました。

――謎が深まったと。

山下 そうです。ゲノム解析をしてきたことによって、新しい課題が見つかったので、科学的には一歩進んだということですね。

川口 それこそ解析に人工知能を使えばいい、人間には情報量が多すぎてできないからね。

DSC_1762.jpg川口氏

山下 「ワトソン」っていう東京大学の医科学研究所に入ってるシステムなんかはそれですね、病気の原因となる遺伝子変異の探索に使われてます。人間が探索しても、知られたものは見つけられるんですけど、人間のマンパワーで手に負えないところをワトソンに探してもらってるんです。

 人間は探索をするときに、関係性が高いところは見つけられますけど、関係性の低いところは見ないじゃないですか。それをワトソンがしらみつぶしに検証してひっぱってきてくれる。

 もともとのデータ量が膨大なので人間の手に負えないんですよ。まあ、コンピュータの元来の目的が、人間では無理なこと、人力でやるには手間が掛かり過ぎることをやってもらうということですからね。

――もう人間の手に負える情報量ではないんですね。


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・川口友万 サイエンスライター。富山大学理学部物理学科卒。著書に『大人の怪しい実験室』(データ・ハウス)など。
・山下祐司 ライター。北里大学大学院理学研究科修士課程修了。基礎科学から応用、先端科学までターゲットは幅広い。


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