「愛娘との肉体関係がそんなに悪いかね?」コロンビア大学教授の近親相姦疑惑で議論紛糾

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0223david_hon1.jpg画像は「nydailynews.com」より引用

 富めるものはますます富み、堕ちるものはどこまでも堕ちていく。そんな天国と地獄の世界が存在するのがアメリカだ。そんな国で、優れた人格の仲間に囲まれ、安定した給与を確保し、人々に尊敬のまなざしを向けられる職業がある、それは大学の教授だ。

 高い教養を持ちながらも激しい学内のポスト獲得競争に勝ち抜く闘争心もある。しかも勤務先の大学が世界中から優秀な学生が集まる一流大学なら尚よし。アカデミックの世界で生きることは人々の憧れでもある。


■エリート教授が引き起こした騒動

 デイビッド・エプスタインは人々の憧れの地位を40代で手にする。アメリカ名門大学群の一つ、コロンビア大学で政治学を教えていた。自身もハーバード大学で応用数学を専攻後、スタンフォード大学大学院で政治経済学の研究で博士号を取得していた。

 その後、めきめきと頭角を現し、政治学系の学術誌に頻繁に登場するようになる。もともと数学専攻だっただけあり、統計学を駆使した政治分析ではかなり有名になった。日本のメディア「ダイアモンドオンライン」でも、エプスタインのインタビュー記事が2010年11月に配信されている。国外からも注目されていたということだろう。

 そんな彼の名を、まさかニュースで「容疑者」として目にするとは、同僚や学生をはじめとする大学関係者は誰も想像しなかったに違いない。識者インタビューでもなく、政治解説でもなく、容疑者として掲載された彼の名と一緒に登場した言葉は、「近親相姦」「娘と肉体関係」という誰もが眉をひそめるものだった。

 2012年、エプスタイン(当時46歳)は近親相姦の罪で告発された。2006年~2009年の間、娘と肉体関係を持っていた疑いが持たれたゆえだった。「名門大学教授、実の娘との淫らな3年間」……そんな見出しがメディアで踊るはずだった。しかし、知識人が娘と近親相姦というマスコミの恰好の餌食となりそうな話題であったにもかかわらず、この事件はある一つのテーマを世間に突き付けたのである。

「お互いが同意しているのになぜ罰せられるのか」

 日本ではこの論点が出ること自体考えられないが、この事件が明るみに出た後に持ち上がったのは、合意の上での近親相姦がなぜこれほど批判されるのか、という議論だったのだ。エプスタインの娘は告発時、24歳。関係が始まったとされる2006年は18歳だ。この年齢は性的関係になる際のいわゆる「同意」が成立する年齢であることから、“批判への批判”に拍車をかけた。

 実際、この事件に寄せられたコメントには「同意していればいいのでは?」「国がプライベートな関係に口出しするのもいい加減にしたらどうだ」「大学教授が逮捕されたこと以上に問題なのは、なぜこれが事件になるのかってこと」など、エプスタインと娘の関係が事件に発展したことへの批判が非常に多かったのだ。

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