「愛娘との肉体関係がそんなに悪いかね?」コロンビア大学教授の近親相姦疑惑で議論紛糾

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「愛娘との肉体関係がそんなに悪いかね?」コロンビア大学教授の近親相姦疑惑で議論紛糾の画像2イメージ画像:「Thinkstock」より

■文化的背景を持つ近親相姦への対応

 キリスト教では近親婚は認められていないが、そのキリスト教文化が広く深く浸透するアメリカで、このような議論が沸き起こるのは一見不思議なようにも思える。だが、意外にも海外では今、大人同士でお互いの合意があることを前提とした近親相姦や近親婚についての認識が、少しずつではあるが変わろうとする動きがある。

 たとえばスイスではここ最近、一親等内の近親相姦を刑罰の対象外にしようとする動きがあった。一親等とは具体的には、兄妹・姉弟、親子間だ。しかし、保守政党がこれに対して強硬に反対姿勢を示しており、法律が変わるまでには相当な時間がかかりそうだ。ただ、そうした近親相姦罰則規定に疑問を持つ動きがあることは事実だ。

 一方で、そもそも近親相姦や近親婚が罰せられない国もある。フランス、中国、ロシア、オランダ、スペイン、トルコなどだ。スイス、ジュネーブにある医療系研究機関(Geneva Foundation for Medical Education and Research)が2011年に発表した資料によれば、中東や北アフリカなどは、文化的な理由で近親婚が多い傾向があるという。結婚前の財産の取り決めなどは近親婚の方が容易であったり、親族内の結束を強化するためであったり、あるいは近親婚の方が妻の立場が守られやすいなど、その理由はさまざまだ。

 宗教分類で見ると、近親婚はキリスト教よりイスラム教に多いということも特徴だ。現在、北米や西欧地域の近親婚は0.6%程度にとどまっているという。

 こうしてみると、われわれの想像以上に近親相姦が許容されている国は多いことに気付く。近親相姦が文化的・宗教的な面から規定されることが多いことを考慮すれば、親子や兄妹・姉弟で恋に落ちることの是非は、結局「どこで生まれたか」で決まってしまうことになるだろう。アメリカで許されなくても、他国では容認される場合もあり、近親相姦をタブー視する観念は簡単に揺らいでしまう。エプスタインの事例も、他国であればさほど問題にならなかった可能性もある。

■完全に否定しない弁護士と残る謎

 さて、エプスタインは今後どうなるのか。彼は早速弁護士を雇い、同僚に支援を要請していたようだが、コロンビア大学側はこの時点でエプスタインの休職を発表。今後は学生指導にあたらないという。あくまでこの時点では「近親相姦の疑い」でとどまっており、この点、大学側も「あくまでそのような訴えがあっただけで、今はなんら確証もない」と表明し、裁判の今後の様子を見守る姿勢を見せた。

 近親相姦はアメリカでは罰せられる。それは動かない事実だ。にも関わらず、エプスタインの弁護士はこんなコメントをマスコミに出している。

「同性愛の方々が自宅で何をしようが問題ない。それとどう違うんでしょうかね?」「大人のプライベートが法で規制されるのはおかしいでしょ」

 近親相姦があったと認められてしまったら有罪になると知っている弁護士が、なぜこのようなコメントを出すのだろう。エプスタインがすでに認めていたのだろうか。関係筋によれば、性的な関係を匂わせるメールの存在があると伝えられており、すでに近親相姦の事実自体を否定することはできないと踏んでいるからなのか。

 そしてさらにこの事件では明らかになっていない点がもう一つある。「誰が告発したのか」、だ。近親相姦があったと仮定した場合、娘はもちろん、娘との関係を知った妻が告発した可能性は十分考えられる。ちなみに、エプスタインは事件が明らかになる前後の時期に離婚している。

 一方、もし娘だった場合は、自分も近親相姦に関わった者として罰せられるが、なぜかこの事件では娘はあくまで「被害者」としての立ち位置のようだ。

 いずれにしても、エプスタイン家の中で何か「重大な事件」が起こったのだろう。「父」と「娘」という仮面をつけた男と女の本当の物語は本人たちにしかわからない。


参考リンク:「abc NEWS」、ほか

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