奇習! 夜這いをしないと村八分 ― 長野県の集落にあった「成人の儀」とは?

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【日本奇習紀行シリーズ】 長野県北部

0212seijinsiki_01.jpg※イメージ画像:Thinkstockより

 毎年1月になると、御屠蘇気分も抜けないままに、我が国においては振袖・羽織袴の新成人たちが街角を歩くようになるが、かつてこの国においては、なんとも不可思議な「成人の儀」が存在していた。長野県北部のあるひなびた集落に住む山口利三さん(87)は、そうした習慣を目の当たりにして育った最後の世代だ。


「今じゃね、成人式っていうと、羽織袴に晴れ着っていうのが相場でしょ。みんなで式典なんかに参加してね。飲めや歌えやの大騒ぎだ。ホント、別の意味でいい時代になったものだね(笑)」


 毎年行われる成人式関連の話題を横目で眺めつつ、山口さんはかつてこの集落に存在していた独自の「成人の儀」について、ゆっくりと語りはじめた。


「もう70年近く前のことなんだけども、その頃まではね、このあたりにも、集落ごとに成人の儀式が決まっていてね、私なんかもそれをやった口なんだよ。それはね、もう今じゃ考えられないようなものでさ、それこそ今同じことをやったら、たちどころにテレビや新聞なんかで取り上げられちまう(苦笑)」


 山口さんがかつて経験したという「成人の儀」とは、言ってしまえば、その歳に成人する若者たちが全員で参加する夜這いだった。それが口伝的に伝わるものであるがゆえに、地元の郷土資料館などでも詳しい史料を見つけることはできない。だが、この集落においては、古くは江戸中期頃からこうした儀式が行われ、少なくともそれは、山口さんが成人を迎えた昭和10年代後半頃まで続いていたのだという。

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