奇形児を食べていた日本の集落… おぞましい奇習とは?=山陰地方

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【日本奇習紀行シリーズ】 山陰地方

奇形児を食べていた日本の集落… おぞましい奇習とは?=山陰地方の画像1※イメージ画像:Thinkstockより

 先日、大手メディアがアフリカ・タンザニアで古くから行われているという、アルビノ狩りについて報じていた。だが、実はこうしたある種の遺伝子異常や、奇形にまつわる儀式・奇習というのは海の向こうの出来事ではなく、我が国にも存在していた時期がある。


「そりゃあもうね、当時は大層珍重したものですよ。なにせ、見た目がああいう感じでしょう? それこそどんな奇形でも、有難がったものですよ」


 我々の取材に対してそう語りはじめたのは、かつて山陰地方のある海沿いの集落で暮らしていたという山鹿義美さん(仮名・78)。山鹿さんの話によると、今を遡ること約70年前までは、当地に奇形を珍重する何とも不可思議な習慣が存在していたという。


「奇形がね、村に生まれると、まず、殺すんです。そう、赤ん坊のうちにね。要はそれをね、みんなで食べるんですよ。薬になるもんだから。知恵遅れも、手足の奇形も、真っ白なのも全部そう。そういう子がね、生まれると、村は大騒ぎでしたよ」


 たしかに、古今東西、その見た目が奇異な印象を与える遺伝子異常や奇形の類というのは、珍重されてきた歴史がある。とりわけ、動植物については、その物珍しさから、不老長寿の秘薬とされたり、どんな病にも効く特効薬として認識されるなどしてきた。効能は不確かであるものの、それを自らの体内に取り入れることで、何らかの効果を期待するという向きがあったのは事実だ。しかし、それがこと人間を対象としたものであるとなると、途端にオカルト的な臭いを放ち始める。

「生まれて奇形だってわかると、すぐにムシロをかけましてね、その上から石臼を乗せてね、大人が体重をかけて殺すんです。それで死んでしまったら、そのままむしろごと藁縄で縛りましてね、井戸の中に吊るす。でも、水には漬けちゃいけない。宙ぶらりんで吊るすんです。それで7日間ばかし吊るしたあとで、今度は天日に干すんです。

 そこから2週間くらいですかね、生渇きになったら、鉈や何かでバラして、家格ごとに切り分けていくっていう。この作業はね、村はずれの川っぺりに住んでて、四つ足の屠殺なんかをやっていた人らがね、金をもらって村人の代わりにやっていましたよ」


 山鹿さんの話によると、アルビノはもとより、手足の本数が異なる奇形、さらには今で言うところのダウン症まで、この地域で生まれた者は、すべて秘密裏に殺害され、“秘薬”として村人たちに振舞われていたという。


「とにかくね、なんにでも効く薬だっていう話でしたよ。嫁さんが産気づくと精がつくからって煎じて飲ませたりね。年寄りが具合悪くなったら重湯に混ぜて飲ますとか。本当に効果があるのかはね、わからないけれども、当時はみんなそうしたものです」


 無論、当時に比べ、格段に医学や生物学に関する知識が豊富となった今では、こうした奇形嗜食はなんら科学的な根拠を持たぬ迷信の類に過ぎない、なんともおぞましい行為として考えられることだろう。しかし、ミイラ薬や胎盤食など、非科学的な類似行為が全世界に存在しているのもまた事実だ。その奇異な外見が抱かせる神秘的な特徴に魅せられる人々は、洋の東西を問わず、いつの時代も存在しているのである。
(取材・文=戸叶和男)

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