奇習! 天狗か鬼が幼女を… 「宮崎勤事件」前から囁かれていた東京西部の神隠し伝説

【日本奇習紀行シリーズ】 東京都西部

奇習! 天狗か鬼が幼女を… 「宮崎勤事件」前から囁かれていた東京西部の神隠し伝説の画像1※イメージ画像:Thinkstockより

 1988年から翌89年にかけて相次いで発生した『東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件』は、捜査線上に浮上した青年・宮崎勤が被疑者として逮捕され、その後、刑が確定。2008年6月17日に絞首刑が執行され、45歳で刑死したことにより、一応の解決を見ている。だがその実、彼が住んでいた東京都西多摩郡の五日市町(現・あきる野市)周辺では、この事件が発生するよりも遥か昔から、幼女の誘拐に関する噂話が存在していたと言われている。


「神隠し、っていうんですかね……。あれは私が子どもの頃だから、もう80年近く前のことですか。小さい子ども、それも女の子ばかりが姿を消すものだから、私も3つ下の妹がいるもので、『目を離さないように』って、じいさんやばあさんから、よく言って聞かされたものでした」


 今回、我々の取材に応じてくれたのは、かつてこの地域で山林業を営んでいたという山崎豊三さん(仮名・83)。彼の話によると、この地域では古くから、「年端もいかぬ幼女が姿を消す」という噂話が存在していたのだという。


「昔話だから記憶が不確かな部分もありますけれどもね。じいさんたちの話じゃ、近くの山にね、たくさん湧き水が出る場所がありまして、その近くでね、遊んでいると山から天狗だか鬼だかがひょっこりと顔を出してきて、一緒に遊ぼうって言うそうなんです。それで遊んでいるうちに、どんどん深いところまで行ってしまって、姿を消す……と。どうもね、そういう話のようです」

 その幼き日に、山崎さんが耳にしたという「神隠し」に関する噂話。それは今で言うところの都市伝説的なものであろう。だが、少なくとも同事件が発生し、テレビや新聞などでこの地域が注目されると、近隣住民の多くは、この伝説を思い出したのだそうだ。


「だからね、あの事件が起きたときには、そりゃあ、みんな大騒ぎでしたよ。鬼が出たの、天狗が出たのって。もちろんね、犯人が捕まりはしたけども、実際には天狗や鬼がさらったんじゃないか? って、今でも思っている人はいるんじゃないですかね…」


 無論、冒頭でご紹介したように、宮崎が真犯人として逮捕され、刑が下った今、当局が出した結論に異を唱えることは無駄なことかもしれない。ましてやそれが、正体不明の噂話に絡んだものとなれば、多くの世人にとって、荒唐無稽なものとしてしか映らないだろう。だが、かつて続々と姿を消したという少女たちがひとりも生還していないことを想うと、同事件とは別に、どこか胸の奥につかえのようなものが残ることも、事実である。
(取材・文=戸叶和男)

奇習! 天狗か鬼が幼女を… 「宮崎勤事件」前から囁かれていた東京西部の神隠し伝説のページです。などの最新ニュースは知的好奇心を刺激するニュースを配信するTOCANAで