透明ブタ、双頭ヤギ、象鼻の仔犬… 南米で多発する奇形動物の原因とは!?=アルゼンチン

 南米・アルゼンチン北部で家畜の奇形が続いている。双頭のヤギ、8本足のブタ、象鼻の仔犬……。ショッキングな写真の数々とともに報告が相次いでいる。


■アルゼンチン北部で報告される先天異常の動物

 アルゼンチン北部のパンパ・デ・ロス・グアナコスで養豚業を営むアデレモ・バラデス・バスケッツさんは薄紙のような皮膚の赤ちゃんブタに衝撃を受けたという。あまりにも脆弱なその皮膚は半ば透き通っていて、血管や筋肉、骨格まで丸見えの状態で、残念ながら出産からまもなくして息をひきとったということだ。

透明ブタ、双頭ヤギ、象鼻の仔犬… 南米で多発する奇形動物の原因とは!?=アルゼンチンの画像1“透明なブタ” 「Daily Mail」の記事より

 この“透明なブタ”が生まれた場所からほんの数キロ離れた家では、2014年に象のような長い鼻の真っ黒い仔犬が生まれている。映画『ハリー・ポッター』に出てくる妖精キャラクターに似ていることから“ドビー”というニックネームで呼ばれ、ネットに投稿された写真はたちまち多くの人に共有され、地元メディアでも紹介された。

 この“ドビー”と同時に生まれた11匹のうち、この姿で生まれたのはドビーだけだったという。オーナーのエデュワードさんは当初、ドビーだけ死産なのかと思ったというが、よく見ると弱々しくも動いているのが確認できたという。そこでエデュワードさんはドビーを母親から引き離して何か飲ませようとしたが、この“象鼻”が障害になってうまく栄養を与えることができなかったということだ。友人もドビーを診てくれたというがその甲斐もなく、残念ながらその後すぐに死んでしまったようである。

透明ブタ、双頭ヤギ、象鼻の仔犬… 南米で多発する奇形動物の原因とは!?=アルゼンチンの画像2“ドビー” 「Daily Mail」の記事より

 このドビーがきっかけとなり地元でも有名になったエデュワードさんは、近隣の人々から何本かの電話を受け取ったという。何かの悪霊に憑かれているので、ドビーを焼き払うべきであると告げられたというケースでは、単なる迷信にすぎないとしてこの忠告を受け入れなかったエデュワードさんだが、確かにドビーの出現は謎を残したままだ。そんな中、地元メディアでは、この地の農家で多く使われている除草剤による影響を指摘している。

■4本足のヒヨコ、“象ブタ”、双頭のヤギ

 エントレ・リオス州のアルデア・サン・ファンでは頭が1つで胴体が2つあるブタが生まれている。頭は1つなのだが、なぜか鼻は2つあり異様さを増している。またその直後に同地域では逆に頭が2つで胴体が1つのウシが誕生している。ちなみに、足は6本あることが確認されている。さらに足が4本のヒヨコも生まれているということだ。

透明ブタ、双頭ヤギ、象鼻の仔犬… 南米で多発する奇形動物の原因とは!?=アルゼンチンの画像34本足のヒヨコ 「Daily Mail」の記事より

 同じく南米コロンビアのカリブ海地域の都市・リオアチャでは、まるで人間のような顔をした“人面ブタ”が生まれたことが報告され話題になったが、アルゼンチン北部のトゥクマン州では象のような鼻を持ち、目に形態異常がある“象ブタ”(Elephant Piglet)が誕生している。

透明ブタ、双頭ヤギ、象鼻の仔犬… 南米で多発する奇形動物の原因とは!?=アルゼンチンの画像4“象ブタ” 「Daily Mail」の記事より

 農業に従事するユアン・フランシスコ・バスケッツさんは、この異様なブタの赤ちゃんを見つけた時、当然ながらとても驚いたということだ。この“象ブタ”は一緒に生まれた12匹のうちの1匹で、生まれ出てすぐに死んでしまったということだ。まだ報告は続き、同じくトゥクマン州で双頭のヤギが生まれている。足は4本だ。今後もこの地域一帯で奇形の家畜やペットの出現がまだまだ続きそうである。

透明ブタ、双頭ヤギ、象鼻の仔犬… 南米で多発する奇形動物の原因とは!?=アルゼンチンの画像5双頭のヤギ 「Daily Mail」の記事より

■遺伝子組み換え作物用の強力な殺虫剤や除草剤が原因か

 前出の“透明なブタ”のオーナー、アデレモ・バラデス・バスケッツさんはこの地には古くから伝わる“アルマムラの伝説”の話をする人々が出てきているという。アルマムラの伝説とは、貞操観念が希薄で近親相姦を重ねる女が罰としてロバにされ、鉄の鎖が足についたまま、奇妙な叫び声をあげながら夜な夜な歩き回っているという話で、一連の奇形動物の誕生はそのたたりではないかと恐れられているというのだ。

 バスケッツさんはこのウワサ話を耳にしてはいるものの、やはり農家が使っている殺虫剤や除草剤の影響が大きいのではないかと考えている。「当局に調べてもらいたいですね。地方自治体が調査に乗り出すべきです」とバスケッツさんは英紙「Daily Mail」の記事で語っている。

 この地域で主に生産されている農作物は、遺伝子組み換えされた大豆と綿である。もともと殺虫剤や除草剤の耐性微生物の遺伝子が組み込まれている遺伝子組み換え作物の生産には、その農地に強力な殺虫剤や除草剤を大量に使用するわけだが、その中でも特に強力な遺伝子組み換え作物専用の除草剤がこの地域で使われているということだ。EUでは使用が禁止されているこの除草剤を、何を隠そうこのアルゼンチンが世界でもっとも大量に使っているのだ。

 地元の小児科医によれば、2008年からこの地域の大豆生産は7倍に膨れ上がっており、それに伴って家畜やペットの奇形が4倍にも増えているということだ。

 オランダの養豚業者の報告によれば、費用を抑えるために遺伝子組み換えの大豆のエサを与えたところ、出生時異常が急激に増えたということだ。アルゼンチン環境NGOのディレクターは「アルゼンチンでもほかの地域でも、除草剤が生態系と、動物と人間の健康に影響を及ぼしている証拠はじゅうぶんにあります。(中略)さらに遺伝子組み換え大豆に動物のホルモンと遺伝子の変化を促す決定的な要因があるかもしれません」と語る。この動物たちの奇形の多発が、いつ人間にも及んでくるのかわからないということだろうか。
(文=仲田しんじ)


参考:「Daily Mail」、ほか

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