レメディオス・バロ/暗闇と夢と魔術の芸術家 ― ビョークやマドンナも陶酔する美人シュルレアリストの真実

■メキシコへの亡命、キャリントンとの出会い

 バロはしばらくの間、パリでシュルレアリスム運動に関わったが、徐々にナチスが台頭すると、1941年にメキシコへと移住することになった。

レメディオス・バロ/暗闇と夢と魔術の芸術家 ― ビョークやマドンナも陶酔する美人シュルレアリストの真実の画像4レオノーラ・キャリントンとマックス・エルンスト 画像は「THE ART STORY」より引用

 メキシコへはバロだけでなく、多くのシュルレアリストたちが亡命している。とくにレオノーラ・キャリントンとは親密に交流した。パリでは互いに著名シュルレアリストの伴侶的なポジション(バロは詩人バンジャマン・ペレの、レオノーラ・キャリントンはマックス・エルンストの)ということで影に隠れがちだったが、異国に地にあってあらためて2人は意気投合。お互い、多くの共通点を見つけることになった。

 この時のエピソードで印象的なのが、深夜の散歩だ。写真家のカティ・オルナの証言によれば、2人の散歩は夜8時からはじまり、深夜1時過ぎまで及ぶこともしばしばだったという。

 想像してみてほしい。時は1940年代、場所はメキシコである。周囲に電灯などあるはずもなく、文字通り真っ暗闇のなかを2人で歩き回ったに違いない。ほとんど視界が開けないなかで2人のシュルレアリストたちは、いったいどんな話をしたのだろう? 吸い込まれるような漆黒のなかで交わされる、シュルレアリスムに関する会話。このシーン自体が、まるでひとつの作品のようだ。

 そしてこの頃から、バロは帰宅すると軽く睡眠をとり、朝起きるとすぐに見たばかりの夢を記録しはじめたのだった。

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