凶悪犯罪者の脳内も丸わかり! 1万人以上の犯罪者を心理分析した教授が語る、リスクと防犯

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出口保行

■攻める防犯

――先生はテロ対策にどのように関わられていたのでしょうか?

出口「防犯カメラをどういう風に有効利用していくのかということで関わりました。従来の防犯カメラは隠した場所につけて、事件が起こったら映像を解析して犯人検挙に使っていました。でも、それでも犯罪が起きているんだから、それは防犯になっていないんです。なので、最近の防犯カメラは『ここにカメラがついています』ということを、犯罪動機を形成した人間に分からせる場所に設置するようにしているんです。だから、『防犯カメラ作動中』と目立つように書いておく。これだけでも犯罪者の動機形成から犯罪行動までの間に『まずい、やっぱりやめよう』と思い直す抑止力となります」


――犯罪者にとってのリスクとコストを高めれば犯罪は未然防止可能というわけですね。

出口「さっき言ったように、私は刑務所でたくさんの犯罪者に会って疑問に思っていました。『なぜ、娑婆にいる時はこんなにたくさん犯罪を犯していたのに刑務所ではやらないんだ?』、と。これっておかしくありませんか? そこで、さっき言ったようなリスクとコストの問題に気が付くんです。犯罪者は、確実にリスクとコストを考えている人たちが多い。では、リスク感とコスト感をどうやって高められるか? 従来型は、『守る防犯』だったけれど、私が提唱するのは 『攻める防犯』です。『守る防犯』は、被害者目線の防犯でしたが、『攻める防犯』は、加害者目線で見た時、何をされたら嫌だろうと考えるんです」


――攻める防犯といいますと?

出口「基本的に私たちは、“私達が持っている犯罪に対する認識”にともなって防犯をしています。たとえば、小さい子どもが狙われる性犯罪や連れ去りはどこで起きているのかと問うと、世間は『夕方の公園で狙われて連れ去られている』と思って答える。しかし、実際には『午後3時台の道端で7歳の子どもが狙われている』。単純化すれば、『小学校1年生を学校帰りに狙っている』ということなんです。ただ、世の中的には『夕方の公園は危険がいっぱい』ということになるわけです。だから、町内で30人ぐらい集まって全員で夕方の公園にパトロールに行ってしまう。犯罪者にとっては、こんな好都合なことはない。そうじゃなくて、『攻める防犯』をやるんだったら、午後3時台の通学路の道端に1人立っているだけで、『このエリアは犯罪行動をちゃんと知っている』と、犯罪者にはすぐにわかるんです。彼らはリスクとコストでいつも考えていています。1人いるということは、ここの地域は“自分の犯罪行動”を知っている、リスクが高い場所だと考えます。つまり、動機形成してもそのエリアではやらないという風に繋がるんですよね。『攻める防犯』とは、犯罪行動をちゃんと知った上で何ができるかを考えることです。30人で毎日、防犯活動をやるのは大変です。だったら、30人を1人にばらせば、1人ひとりが30日に1回だけで済む。30人が大挙して毎日行っても効果がないのに、1人立っているだけで効果が出て負担も少なくなるんです。『今までの防犯の仕組みを変えて合理的に考える』というのが、『攻める防犯』の1番大切なポイントなんです」

 犯罪者の心理を. 逆手にとって防犯をする……この発想は、約1万人以上の犯罪者と実際に対面取材し、心理分析して来た出口教授ならではの斬新な発想であろう。
(取材・文=白神じゅりこ)

・出口保行先生インタビューシリーズはコチラ

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