ペニス・パニック! 「陰茎が体内に吸い込まれる」伝染病“コロ”が恐ろしすぎる

 2006年3月、アフリカ西部に位置するナイジェリア共和国で奇妙な事件が発生した。なんでも、レストランで食事をしていた男性が会計を済ませたところ、会計を担当したボーイがいきなり「俺のペニスがない!」と叫び出し、パニックになったのだという。さらに、その騒ぎを聞いて駆けつけた男性2人も「ペニスがなくなった!」と叫び出したため、現場は混乱状態に陥ってしまったそうだ。

 なんとも珍妙な事件だが、この突然ペニスを消失した感覚になる現象は、「コロ(性器収縮症候群)」と呼ばれる幻覚精神障害であり、体の中に陰茎が吸い込まれるような幻覚的症状に陥るという。そして、この性器収縮症候群の恐ろしいところは、伝染症であり、アジアやアフリカでしばしば起こる現象だということなのだ。

■“ペニス・パニック”という集団ヒステリー

 1967年10月、性器収縮症候群はシンガポールで大きな騒動を巻き起こした。なんと数千人の男性がペニスを失ったと主張する事態になり、まさに“ペニス・パニック”に陥ったのだ。現地の新聞は、インフルエンザのワクチン接種を受けた豚の肉を食べた人に症状が見られたと報じたが、政府は混乱と伝染の広がりを抑えるため、報道規制をかけたという。

 また、1976年11月、タイの東北部イサーンでは、350人の男性がペニスを失い、病院に搬送される人が続出するという事件も起きている。さらに中国では、1940年代から80年代にかけて6回も“ペニス・パニック”が発生し、16の都市と郡で合計3,000人以上に伝染したといわれている。

 この性器収縮症候群は、特定の文化的背景(オカルト的な考えなど)を持った文化拘束症候群の一種だと言われている。2003年にスーダンでは、「外国人と握手するとペニスが無くなる」といった噂がメールで広まり、実際に織物店の店主が客のアフリカ人の男性と力強く握手をしたところ、ペニスが無くなった感覚に陥りパニックを発症、病院に搬送されたという。

 この性器収縮症候群は、まれに女性でも発症するケースが報告されており、女性の場合は女性器だけでなく、乳首までも喪失するそうだ。突然「アソコが無くなった!」と騒ぎ出した人がいたら、近づかない方が身のためかもしれない。
(文=山下史郎)

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