自殺するために熊本地震・被災地へ/元期間工51歳
自殺するために熊本地震・被災地へ ― 死地を彷徨い歩く元期間工51歳の失敗人生とは?
――なにもかも失い、完全にメインストリームから外れた“失敗者”たちの次の選択とは?
【新シリーズ・失敗者の肖像1】
これだけ長い不況が続くと、もはや不況を不況とも感じなくなるほどに、我々の感覚は麻痺しきってしまうが、そうした状況になっても、「さらに下」の状態へと転落した人々は、より過酷な状態での、地獄の苦しみが待ち受けているのが実情だ。現場主義のライターが、日々各地で取材するなかで出会った他人事とは思えない“失敗者”たちの生き様に迫った。

■自殺するために被災地に向かった元期間工(51)
「最初は衝動的に電車に飛び込もうとか、そういうのも考えたんですよ。でも結局できなかった。そんなことをしたら、保険金ひとつ残せやしないから」
自らの事情についてそう語るのは、現在、都内をひたすら彷徨い歩くだけの毎日を送っているという無職・渡辺さん(仮名・56)。彼はこの春まで勤めていたという、某大手自動車メーカーの期間工の職を失い、自暴自棄の状態になったという。若い頃にしてしまったという多額の借金を返すためだけに、妻や子とも離れて地道に働き、返済とわずかな仕送りを続けてきた彼にとっては、自分の衝動的な死によって、これ以上、家族が不幸な目に遭うことはどうしても避けたかった。
「僕らみたいな人間にとって一番望ましいのは、事件や事故に巻き込まれて死ぬことなんです。そうすることで、家族にも僅かでも金を残せるだろうし、自分の苦しみからも解放される。だから僕は自分なりに考えてみたんです」
渡辺さんの話によると、自殺ではなく「事故」という形を残すために考えついたのは、災害に巻き込まれて死ぬことだったという。そこで彼は今年4月中旬に起きた熊本震災の際に、死にもの狂いで現地へと乗り込み、その“死に場所”を求めて“現地調査”を行ったという。
「崩れやすそうな崖だとか、落ちそうな橋だとか、そういうのをとにかく探しました。でも、人間というのは実に不思議なもので、いざそういうときになると、なかなかうまく巻き込まれないものなんです。そうこうしているうちに、僕なんかと違って生きたいと思っていたはずの人が亡くなっていったり、苦しんでいたりするのを目の当たりにして、複雑な気持ちになりましたね、正直」
死に場所を求めて被災地を訪れた彼の前で、自殺願望もない、ただただ平穏無事な生活をしていたいだけの、なんの罪もない人々が苦しみ、亡くなっていく。そうした状況を目の当たりにしたことで、また、何回挑戦しても幸か不幸か被害に遭わなかったことで、彼は人知れず、沈んだ気持ちになったという。
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