芥川賞受賞・村田沙耶香の問題作!“10人生めば1人殺してOK”恐怖の少子化対策「殺人出産制度」が問うもの

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 少し前に、オーストラリア人夫婦の依頼で男女の双子を代理出産したタイ人女性が、「ダウン症で生まれた男児の引き取りを拒まれたので自分で育てている」と名乗り出て世界の注目を集めたニュースが報道されたが、あれだって経済格差を利用した力ずくの生殖医療がまかり通っている実例だ。

 ちなみにこのタイ人女性が請け負った代理出産費用は50万バーツ=160万円。日本円にすると「わりと安い」と感じる人も多いのではないだろうか。富裕層でなくとも、かき集めれば何とかなる金額だろう。どうしても子どもが欲しいのに身体的事情によって授かれない夫婦にとっては、代理出産というシステムは希望の光かもしれない。だが、1回の出産が160万円に換算される日が来るなんて、もちろん100年前には想像もできなかったはず。じゃあさらに少子化が進んだ100年後には? 10人産めば1人殺せる世界だって絶対に到来しないとは限らない。産むのが善で、殺すのは悪か。今自分たちがいるこの世界は本当に正しいのか、狂っているならどこからが正常でどこからが異常なのか?

 今、殺したいほど憎い相手がいる、という人は胸に手を当てて真剣に想像してほしい。もしも子を10人産めば、その相手を殺す権利が手に入るならば、あなたはどうする? 1年で1人産んでも最低10年、運良く双子や三つ子が授かればもっと短縮できる可能性もあるが、逆に流産や死産によって10年以上かかる場合だってあるだろう。だがそれらを踏まえた上でも殺したいほど憎い相手がいる、だから「産み人」になる道を選ぶ、という人は確実に一定数いるはずだ。

 ちなみにこの「殺人出産制度」がもしも現実のものとなれば、ビッグマミィこと美奈子はあと4人、橋下徹大阪市長の妻ならあと3人を産めば、堂々と誰かを殺せる権利が手に入る。子沢山宣言している3児の母の辻希美だって、今のペースで頑張れば1殺は夢じゃない。「10産1殺」が認められた世界では、ママタレントのキャラ定義も変わってくるだろう。そんな風に想像をめぐらすほど、あらゆる価値観が揺さぶられる「殺人出産システム」。あなたは賛成ですか、それとも反対ですか?
(阿部花恵)

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