奇習! 村の共有物になった女児 ― 教科書には載らない“被差別部落の歴史”を古老が語る=近畿地方

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【日本奇習紀行シリーズ】 近畿地方・某地域

奇習! 村の共有物になった女児 ― 教科書には載らない被差別部落の歴史を古老が語る=近畿地方の画像1※イメージ画像:Thinkstockより

 これまで、本連載においては、日本全国に存在する、ないし存在していたとされるさまざまな奇習について紹介してきた。その大半が、当時の事象の一部、もしくは全部を体験したり目撃した人物による証言を元にしているという性質上、それら口伝的な内容は、学術的に主流とされる言説からはおよそかけ離れたものになりがちだ。

 だが、すべての歴史が書き言葉によって記され、史料として現存しているわけではないことからもわかるように、また、歴史というものが絶えず勝者によって継がれていくものであるという性質上、そこには必ずといってもよいほど「記されていない事実」というものが存在している。今回ご紹介する“とある古老”の話も、そうした歴史の教科書に載ることもなく、高名な学者先生たちからは見向きもされないような、そんな消え行く記録のひとつだ。


「最初に私がお話しなくちゃいけないのは、私の生まれ育った集落が、いわゆる“部落”だっていうことなんです。だから、地図上は同じ町内のように書かれていても、周囲とはまったく違った時間が流れていたんです」


 今回、我々の取材に、自らの生い立ちを交えつつ語りはじめたのは、近畿地方のとある地域に住む無職・金山力蔵さん(仮名・84)。金山さんの話によると、彼が生まれ育った地域は、いわゆる被差別部落に類するもので、そのせいか、集落全体が周囲の地域から隔絶された状態であったという。


「外から集落の入り口に差し掛かると、そこから急に道が悪くなっていたりとか。周りの家はちゃんとしているのに、あの界隈だけがバラック同然の板壁の家だとか。そういう見た目の違いもありましたけどもね、一番違うのは、我々の生活そのものです。たとえば、我々の地域じゃ、女の子が生まれると、それは共有財産というか、みんなのものだという考えがありましてね。それこそ、どの男とも籍ひとつ入れやしないんですが、嫁のようにいろんな男たちの子どもを生んでましたよ」


 金山さんの話によると、彼が暮らしていた集落では、女児が生まれると、その時点で誰が親なのかという点すら曖昧にし、それこそ地域の大人たちすべてが「父」であり、「母」であるという環境にするそうだ。そして、地域社会全体で彼女を養い育て、無事に成長した暁には、同じ集落にいる複数の男たちと性交させ、子どもを生ませる。やがて生まれた子どもは母親のいない私生児として扱われ、男児の場合は男の実家で育てられ、女児の場合は彼女の母親と同様に、村の共有財産として扱われる……そういう習慣が存在していたという。

 なお、こうしたなんとも奇異な状況が生まれた背景について、金山さんは被差別部落ならではの事情があると指摘する。


「なにせよそから嫁に来るような娘はいないわけです。でも、村の中で生まれる女も限られてくる。だからみんなで養って、みんなの子どもを生んでもらう。そういう話だったんじゃないかなって思います」


「よその人たちからすればね、それこそ信じられないようなことだと思うんですよ。でもね、我々にとってはそうするのが当たり前だったんです。もちろんね、こういう話っていうのは、集落の外にいる人らだって当然、知っていたはずなんですよ。けれどもね、彼らはいつだって私らをね、腫れ物にでも触るかのように扱ってきたわけだから、見てみぬフリなんです。なにせ、火事で家が焼けようと、人が死のうと、お巡りも消防も来やしない場所なんですから」


 今回、金山さんが語ってくれた話は、無論、地元で保管されている郷土史料にすら、その記述が見当たらない。しかし、記述がないからといって、なにもその行為自体が実在しなかったというわけではない。もしかすると、彼らのように隔絶された時間と生活を過ごす人々にとっては、「表の歴史」として当たり前のように記載される年表の行間に、自らが辿った見えない生涯の記録を見出すことしかできないのかもしれない。
(取材・文=戸叶和男)

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