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自爆テロ

※2頁目に衝撃的な動画を掲載しています。苦手な方は文章のみご覧ください。

 トルコ南東部、シリア国境から約60km北に位置するガジアンテプで今月20日午後11時ごろ(現地時間)、屋外結婚式の会場を狙った自爆テロが発生、51人が死亡し69人が負傷した。中東で勢力拡大を続ける過激派組織「イスラム国」(IS)の犯行である可能性が高まっているが、トルコのエルドアン大統領によると、12~14歳の子どもが身につけていた爆弾が炸裂したものと考えられるという。まずは、動画共有サイト「LiveLeak」で公開されたテロ発生直後の光景を捉えた映像をご覧いただこう。

動画は「LiveLeak」より
動画は「LiveLeak」より

 響きわたる悲鳴と怒号、散乱する肉片と流れる血――幸福の絶頂から一瞬にして地獄へと突き落とされた衝撃に、誰もが我を失いパニック状態に陥っている。現場は、少数民族クルド人が数多く暮らすシャーヒンベイ地区の住宅街だったという。午後5時ごろから始まった結婚式がピークを迎え、数百人が通りを埋め尽くした瞬間を狙った凶行だった。

動画は「LiveLeak」より

 昨年からトルコでは、最大の都市イスタンブールや首都アンカラをはじめとする各地で同様の爆弾テロ事件が相次いで発生している。そしてトルコを取り巻く複雑で困難な現状が、今回のテロで「イスラム国」に狙われたのがクルド人だったという点に凝縮されているのだ。


■世界最大の少数民族クルド人と、トルコ政府、「イスラム国」の関係

 第一次世界大戦後に引かれた国境によってトルコ、シリア、イラク、イラン、アルメニアなどにまたがって暮らすことになったクルド人は、少数民族とはいえ、独自国家を持たない世界最大の民族集団であり、その総人口は現在2,500万~3,000万人と考えられている。彼らは長らく各国で迫害を受けてきたが、トルコでは分立独立を目指して「クルド労働者党(PKK)」を組織し、ゲリラ戦やテロ活動を展開するなど闘争的な一面も持つ。

 さて、「イスラム統一国家の実現」を掲げてシリアを中心に支配地域を広げる「イスラム国」は、自らの国家樹立を夢見るクルド人たちにとって、当然ながら敵である。またクルド人にとっては、トルコ政府も民族を抑圧する敵にほかならない。さらにトルコ政府にしてみれば、「イスラム国」の存続はもちろんクルド人の独立も認めるわけにはいかない。つまり、トルコ政府、クルド人、「イスラム国」は“三つ巴”の状態にあるのだ。今回、トルコに潜伏する「イスラム国」のテロリストがクルド人たちを自爆テロの標的とした理由は、彼らにとって一石二鳥、つまり一度でクルド人とトルコ政府の両者に打撃を与えることができるからにほかならない。

 今後、トルコを舞台とする血なまぐさい“三つ巴”の殺し合いがますます激化する可能性は高そうだ。暴力の連鎖を断ち切るために、各国には何ができるのか? 国際社会は、絶え間なく新たな課題を突きつけられている。
(編集部)

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