苫米地英人が語る、カネと宗教「イスラム以外の宗教は全部ビジネス」「墓場利権と対立してきた創価学会」(康芳夫対談)

 20世紀末の日本を騒がせた「オウム事件」の現場を知る一人だった脳科学者・苫米地英人氏にその事件の裏側を聞き、“昭和の暗黒プロデューサー”康芳夫の黒い好奇心はさらにタブーの方向へと加速してゆく。第2回は日本人が見過ごしている《宗教の真実》。完全に利権化しているその領域で、自身も天台宗で出家しているという仏教人・苫米地英人氏の宗教観とは?
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■墓場ビジネスの闇

苫米地(以下、苫)「日本には鎌倉時代には成立して、江戸時代から安定して続いてきた《墓場利権》ってのがあるのね。日本の当時の人口は知らないけど、今だったら1億2千万人が平均して50年~80年で死ぬわけですよね。死ぬと、ひとりあたり50万円~100万円、高い人は500万円くらいがかかる。その後、77回忌が終わるまで、必ずお金を取り続けられる。それの、100万円×1億人だからね。それをたった10教団ぐらいで分け合ってるのを《墓場利権》って俺は言ってるの」

「墓場ビジネスの、シェア争いをしてるわけだね。正に死の商人だ」

苫米地英人が語る、カネと宗教「イスラム以外の宗教は全部ビジネス」「墓場利権と対立してきた創価学会」(康芳夫対談)の画像2戸田城聖/Wikipediaより

「だから、戸田城聖(牧口常三郎とともに創価学会を立ち上げた第2代創価学会会長)は刑務所にいて、池田大作だけは生き残ったわけです。戸田城聖の時代までは、“墓場利権に迫害される側”が創価学会だったからです。池田大作の時代になって、ようやく、創価学会は“墓場利権と対等”ぐらいになる。そして今は政権政党ですから、“墓場利権の上”にいっちゃったわけです。昔は墓場利権をぶっこわす側にいたのが創価学会であり、立正佼成会だったわけですがね」

「たしかに今の創価学会は、墓場いっぱいやってるもんね(笑)。まさに墓場利権、死の商人の最大手ブローカーということだ。果たして池田親分は大往生できるのかな」

「戸田城聖は獄死じゃないけど、昔の創価学会員は獄死したり、少なくとも捕まってしまう時代だった。だから、城聖さんまでの時代は、墓場利権で徹底的に迫害されたわけです。宗教はほとんどの国でビジネスなんで、日本は明らかに墓場という利権争いがビジネスになってるんですよね。それって本当は仏教にあるまじきことで、シャカは墓を作っちゃいけないって言ってるんですけどね」

「おお、宗教はグローバルにはビジネスだと。では《ビジネスでない宗教》ってのは、あなたの頭の中にあります?」

イスラム教。あれは完全に政治ですね。普通は政治のためにビジネスが利用されたり、ビジネスのために政治が利用をするけど」

「政治とビジネスは違いますか?」

「違いますね、ビジネスは金だから」

「では、政治とは?」


■イスラム教はピュアだからアメリカが怖がる

「イスラム教が純粋に“政治”だといえるところは、政教が分離しない国を指していますよね。政治とビジネスが宗教の道具だから《宗教イコール政治》なんですよ。そこでは、国家の運営だから、創価学会がやっているような《立正安国》と同じですよね。それと逆で、資本主義国ではすべて宗教はビジネスなんですよ」

苫米地英人が語る、カネと宗教「イスラム以外の宗教は全部ビジネス」「墓場利権と対立してきた創価学会」(康芳夫対談)の画像3画像は、videonewscom/YouTubeより。中田考氏

「そこが僕は、特にイスラム教でわからないところなんだよ。イスラム法学者の中田孝くんは僕の大学の後輩なんだけど、彼が“イスラム法というものは絶対的なもの”だと言うんだ。その下に《ジハード》など色々な掟があるって言っていてね。だけどそれは、あなたが言うにはすべて“政治”ということになるわけ?」

「俺らは政治って言っちゃうだけで、彼らはそれを政治と思ってないわけですよ。でも、俺からすれば政教が分離してないから、政治なんですよ。本来はユダヤ教の時代は当たり前だし、カトリックもローマ法王の時代、アレクサンダーの時代のローマ帝国の時代はそうだけど、プロテスタンティズムが生まれた時代は、もはやカトリックだって怪しくなってきてる」

「そう、極めて怪しいですね。では、イスラムは今後どうなりますか?」

「イスラム教は、長い目でみれば他の宗教と同じようにビジネスになっていく可能性があると思います。今の段階ではまだなってないですけどね」

「じゃあ、イスラム教だけはまだピュアってことかな?」

「はい、だからアメリカにとっては怖いわけです。金で言うこと聞かないヤツはいないはずなのに、彼らは金で言うこと聞かないから。現政権の方針で一部のイスラム教徒から嫌われたかもしれないけど、イスラム系が日本人を好きだった理由のひとつは、“日本が最後までアメリカの敵だった国である”ということで、もうひとつは“どうも日本人は金で動かないヤツだ”って、ずっと思われてたからなんですね。だから、我々は《日本教》という意味では政教分離をしてないんです」

「なかなかおもしろいね。まず、あなたはイスラム教が一番ピュアだってことをおっしゃってる。中田くんとか、イスラム教に入っちゃってる人は別にして、苫米地さんみたいな部外者で、そういうことをはっきり言う方は今いないですよ」

「それはユダヤ教だって、最初の頃はそうだったし、カトリックだって、ローマ帝国時代まではそうだったし。だからイスラム教だって、あと100年ぐらい経ったらわかりませんよ。だって、中国人が資本主義入れちゃったくらいなんだから。共産主義っていわば宗教じゃないですか。それが今じゃ資本主義国だからね」

「ではもうひとつ踏み込んで、《宗教じゃないイデオロギー》ってあるんですかねえ?」

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