たった500gで人類を滅亡させる猛毒「ボツリヌス」が潜む食品とは? ボトックス整形は“顔が固まる”例も【ググっても出ない毒薬の手帳】

■美容のボトックス

たった500gで人類を滅亡させる猛毒「ボツリヌス」が潜む食品とは? ボトックス整形は顔が固まる例も【ググっても出ない毒薬の手帳】の画像3画像は、Thinkstockより

 ボツリヌストキシンは神経終末で止まってアセチルコリンの放出を止めてしまう働きがありますと先に紹介しましたが、これを逆手にとって美容に利用するのがボトックスと言われる「シワ取り技術」です。

 一気に老け顔に見えてしまう「眉間の皺」や「法令線」などは筋肉がその形に収縮することでできます。なので、その筋肉自体を麻痺させて動かなくしてしまえば、シワはできなくなるわけです。

 シワを生じさせる筋肉にボツリヌストキシンを注射すると24~48時間で神経終末に移動し、筋肉の「動け」という信号自体をブロックしてしまいます。すると次第に完全に神経終末は死滅し、3~4カ月は効果が持続します。しかし、人間の体は賢いもので、近隣の回路が上手くバイバスのように回路を形成して、再度動くようになってくるため、数カ月おきに3~4回注射しないと効果が薄くなってくるわけです。

 しかしやりすぎると、シワは消えても、笑ったときに顔が引きつったようになり、ひどいと顔が全く動かなくなるので、あまりやり過ぎは禁物と言えます。

たった500gで人類を滅亡させる猛毒「ボツリヌス」が潜む食品とは? ボトックス整形は顔が固まる例も【ググっても出ない毒薬の手帳】の画像4ファッションデザイナーのドナテラ・ヴェルサーチ「madworldnews」より
たった500gで人類を滅亡させる猛毒「ボツリヌス」が潜む食品とは? ボトックス整形は顔が固まる例も【ググっても出ない毒薬の手帳】の画像5キャメロン・ディアスまで…「madworldnews」より

 最近はアゴの筋肉を一部弱め、顔のえら張りを抑えるなんてことにも使われており、無茶をする病院では足に打って足の筋肉を落とす……という、結構危ない要望に応えてしまう病院もあるようです。

 若く見られたいのは分かりますが、不気味な感じになってしまっては本末転倒。用法用量をよく考えて、医師とよく相談の上利用するのがいいでしょう。
 (文=くられ)

●くられ

たった500gで人類を滅亡させる猛毒「ボツリヌス」が潜む食品とは? ボトックス整形は顔が固まる例も【ググっても出ない毒薬の手帳】の画像6

 添加物を駆使した食欲の失せるカラフルな料理やら、露悪的で馬鹿げた実験を紹介していく、「アリエナイ理科ノ教科書」の著者、サイエンスライター。公演やテレビ出演なども多数。無料のメールマガジンも配信している。ひっそり大学で先生をしてたりもする。WEBや雑誌での薬と毒関連の連載をまとめた新刊『悪魔が教える 願いが叶う毒と薬』(三才ブックス)が好評発売中。

KURARERAKU
アリエナイ科学メルマ

【これまでの猛毒一覧】

・ 青酸カリ「前編」「後編
・ リシン「前編」「後編
・ クロロホルム「前編」「後編
・ 一酸化炭素「前編」「後編
・ 覚せい剤「前編」「中編」「後編
・ トリカブト「前編」「後編
・ タリウム「前編」「後編
・ ドクウツギ「前編」「後編
・ ヘロイン「前編」「後編
・ フグ毒「前編」「後編
毒キノコ
・テタヌストキシン「前編」「後編
・大麻「前編」「中編」「後編
 

関連キーワード

コメントする

画像認証
※名前は空欄でもコメントできます。
※誹謗中傷、プライバシー侵害などの違法性の高いコメントは予告なしに削除・非表示にする場合がございます。