奇習! 生きた人間から肝臓を取り出し、村人全員でむさぼり食う伝統 ― 不老長寿の秘薬を求めて=鳥取県

奇習! 生きた人間から肝臓を取り出し、村人全員でむさぼり食う伝統 ― 不老長寿の秘薬を求めて=鳥取県の画像1イメージ画像:「Thinkstock」より

【日本奇習紀行シリーズ】 鳥取県南部

 かつて、中国では不老長寿を目指す仙術を引き起こすアイテムとして「仙丹」を、同様に、欧州では多くの錬金術師が「エリクサー」を生み出さんと研究に研究を重ねてきたが、これらの“奇跡”を生み出すためのアイテムは、それを構成する物質もまた、神秘性を感じさせるものが数多く用いられる。とりわけ、金属でありながらも、まるで水のように揺れ動く水銀は、その特異性ゆえに、こうした不老長寿などの効果をもたらす秘薬の成分とされていたという。しかし、古代中国の名だたる王たちが相次いで水銀中毒死したり、錬金術師でもあったアイザック・ニュートンが、その晩年に水銀中毒により衰弱状態となったことからもわかるように、その材料の大半は、効果どころか災禍をもたらすものであったのが実情である。

 さて、そんな不老長寿を生み出す“奇跡の秘薬”を求める動きは、かつて我が国でも巻き起こっていた。いつの時代も、あからさまに怪しい代物ばかりが時の権力者を中心に“嗜み”の対象として用いられてきたが、そうした中で、とりわけ不可解なアイテムの1つであるといえるのが、生きた人間の肝臓である。


「普通に考えればまともじゃないけどもね、私らが子どもの頃には、そういうことが昔あったとよく聞かされたものですよ」


 鳥取県の北西部に位置する、とある市に住む無職・山本清一郎さん(仮名・72)は、そうした秘薬に関する伝承を知る数少ない人物の1人だ。山本さんの話によると、彼がかつて暮らしていた県南部のとある集落では、室町時代の初期頃(推定)から、生きた人間の肝臓を不老長寿の秘薬として食する習慣があったという。


「まあ、言ってしまうと、くじ引きをして負けた人間が、生きたまま肝を取り出されるっていう話です。それを村人全員で食べるという。それだけの話なんですけどね」

 山本さんの祖母が子どもだった頃というから、少なくとも明治時代後期までは、そうした恐ろしい習慣が存在していたと考えられるが、それにつけても生きた人間の肝臓である。今の時代に生きる我々からすれば、ちょっとした猟奇殺人モノに出てくるエッセンスのようだ。


「肝をとられた人だけをね、集めて埋葬する塚も昔はあったくらいだったから、あながち眉唾だというわけではないと思うんですよね。それに、その儀式を行う山が近くにあって、正式には別の名前があるんでしょうけども、地元の私らは“肝取山(キモトリヤマ)”と呼んでいたくらいで……」


 聞くところによると、現在の中国でも、内臓の調子が悪くなった際に、牛や豚といったほかの動物の同じ臓器を食べることで、その調子が改善されるという考え方があるという。しかし、それが「生きた人間の」という話になると、世界各国の伝承を見ても、そうそうあるものではない。実際にこの儀式に参加し、肝臓を食い続けた先人たちがご多聞に漏れず死んでしまっていることを鑑みれば、少なくとも「不老長寿」ということはないようだが、果たしてその効果のほどは一体如何なるものであったのか、西洋医学が中心となった後の世に生きる我々にとっては、なんとも気になるところである。
(取材・文/戸叶和男)

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