奇習! 生理中の女性がわかる特殊な嗅覚を持つ人々 ― 村民全員に備わる異能「犬鼻」の神秘=静岡県

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奇習! 生理中の女性がわかる特殊な嗅覚を持つ人々 ― 村民全員に備わる異能「犬鼻」の神秘=静岡県の画像1イメージ画像:「Thinkstock」より

【日本奇習紀行シリーズ】 静岡県・中伊豆地方

 世の中には実に不思議な特技を持つ人々がいて、そうした存在が「びっくり人間」として世界各国のメディアに取り上げられることもしばしばである。しかし、それがある程度まとまった母数を持つもの、たとえば「村人全員びっくり人間」というような状況ともなると、すぐさまタブロイドニュースのネタになり得るレベルであるといえるだろう。


「そうですね、私だけでなく、親兄弟も、隣近所の人たちも、それこそ村の人間全員が、同じような特徴を持っていましたね。なぜそうなったのかは、当の私も皆目見当がつかないのですが……」


 自身が持つ珍しい特技と、同じ特技を持つ周囲の人々についてそう語り始めたのは、静岡県の中伊豆地方で生まれ育ったという自営業・鈴木力男さん(仮名・54)。彼は当地で“犬鼻”と呼ばれる優れた嗅覚を持つ人物で、その鋭さは、文字通り“犬レベル”なのだという。


「まあ、遠くの家の夕飯の食卓に何が並んでいるかとか、そういうものくらいは誰しもわかると思うんですよ。けれども、たとえば家の中にいる赤ん坊の臭いが外からわかるとかっていうと、たぶん多くの人はあまりピンと来ないと思うんです。私を含め、あの集落にいた人間は、みんなそういうことまでわかる鼻をしてるんですよね」


 詳細については不明だが、鈴木さんを含む村人全員が、麻薬捜査犬のような鋭敏な嗅覚を持つというこの集落。一般的な「人並みの嗅覚」しか持たない我々にとってあまりピンとこない話だが、その鋭い嗅覚ゆえに腐臭や悪臭の類に悩まされることも多く、彼らは目の細かい医療用マスクの着用なしでは、街中へ外出することすらままならないという。

「この辺は田舎だからまだいいですけども、たとえば東京なんかに行って、電車にでも乗ろうものなら地獄ですよ。化粧だの体臭だの口臭だの、それこそ鼻が曲がってしまうほどです」


 鈴木さんの話によると、たとえば飲食店などに入った場合、その店で出す料理が放つ匂いはもちろんのこと、そこに下水からの戻り香や、たまたま店で居合わせた生理中の女性が放つ独特な匂いなどが混ざることで、とてもじゃないが料理を楽しむどころの話ではなくなってしまうという。そのため、この集落で暮らす人々は、お互いに感じる匂いを少しでも抑える目的から、1日に何度も風呂に入り、強い体臭が出ることを防ぐように努力しているという。


「もともとあのあたりじゃ、ろくに農作物も育たないような環境だったので、ほとんどの人が山に入って獣を罠でとったりしながら暮らしていたそうなんです。山の獣の嗅覚はすさまじいですから、そういう獣とのせめぎあいの結果、我々にはこういう鼻が備わって、それが代々伝わっているのかもしれませんね」


 人はその環境に合わせて、自らの身体能力の一部を急速に進化させることができるといわれているが、もしかすると鈴木さんたちが持つという“犬鼻”は、そうした進化した能力の1つといえるのかもしれない。
(取材・文/戸叶和男)

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