触れた細胞を皆殺しにする理想の猛毒「ヒ素」! アノ色の絵の具も大量含有、ヒ素だらけの実態【ググっても出ない毒薬の手帳】
【ヘルドクター・クラレのググっても出ない毒薬の手帳】
第16回 ヒ素 前編

1955年の森永ヒ素ミルク中毒事件、1998年のカレーヒ素混入事件が、日本の刑事事件では特に有名な事件として知られる「ヒ素」。
ヒ素は毒。ほぼすべての人が知っている話だとは思うが、一体どういった毒で、どうした症状が出て、どれくらい危ないのか、知識を改めておきましょう!
■有毒ヒ素化合物筆頭 亜ヒ酸

基本的にヒ素というのが毒物として用いられる場合、この亜ヒ酸こと三酸化ニヒ素(As2O3)のことで、水に溶かすと[AsO(OH)2]^- や [AsO2(OH)]^2- といった陰イオンとなり酸性の液体となる。これがいわゆる亜ヒ酸水で、古今東西のほぼすべてのヒ素の毒物事件で使われていると言っても過言ではないくらいにはメジャーな猛毒です。
古くは古代ローマ時代のネズミ殺しから暗殺まで幅広く毒として使われてきました。ヒ素は天然にわりといっぱい産出する鉱物で、「足尾銅山鉱毒事件」などでは、黄鉄鉱と一緒にヒ化銅といった化合物で大量に出土し、分離工程で亜ヒ酸になり川を汚染しました。
ヒ素化合物は天然に多くありますが、一部では金属ヒ素が産出するところもあり、金平糖のようなその名も金平糖石という純ヒ素鉱物も存在します。

日本画の絵の具としてもエメラルドグリーンやオーピメントとして、カラフルなヒ素化合物が使われており、いずれも有毒なので取り扱いには注意が必要です。特にエメラルドグリーンは粉塵を吸引するだけでも危険(亜ヒ酸と同程度)なので、最近は代替顔料を使うことが多くなっています。
亜ヒ酸が毒として使われたのは、天然に多く産出するヒ素化合物を加熱するだけで簡単に亜ヒ酸を得ることができるので、昔はそうしたヒ素化合物を鍋に入れて蒸し焼きにし、上に藁の束などを乗せて亜ヒ酸を得ていました。
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