使うと死ぬ美白液、白血病治療… 実際にあった「ヒ素の意外な使い道」とは?【ググっても出ない毒薬の手帳】

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■白血病がヒ素で治る

1209h_04.jpg白血病細胞が出現した血液「Daily Mail」より引用

 ヒ素の中毒は、昔から鉱山や、井戸水にヒ素が溶出することによる風土病などとして、広く研究されています。近年では、急性前骨髄球性白血病の治療薬として、亜ヒ酸が使われています。
 
 トリセノックスというちゃんとした治療薬で、適用は「再発・難治性急性前骨髄球性白血病治療剤」となっています。ただ白血病すべてに効く特効薬というわけではなく、一部のタイプの白血病にしか有効ではないのですが、かなり治療例があるようです。
 
 副作用が出ても、ヒ素中毒は過去の膨大な研究データがあり、病院であれば適切に対処も可能であり、毒をもって病を制するという、毒と薬は紙一重を地で行く治療薬となっています。

 ヒ素は自然界に豊富というだけあって、いざ地表に大量にばらまかれると、大半の動植物にとって有毒なので、分解もされず、ただただ土地が荒廃させてしまいます。そこで、いろいろな汚染を除去する方法が考案されていますが、中でも面白いのが植物を使ったヒ素の除去でしょう。

1209h_03.jpgモエジマシダ「Wikipedia」より引用

 ヒ素はバイオリーチング(生物濃縮)でも集めることができます。最近注目されているのが、モエジマシダというシダ植物で、しかもヒ素をチオール(イオウを含んだ化合物の一種)に取り込んでしまい、無害なヒ素化合物にしてしまうという能力があります。このシダは成長も早く繁殖力もそこそこということで、ヒ素で汚染されてしまった土地を復活させることができるのではないかと期待されています。
(文=くられ)

●くられ

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 添加物を駆使した食欲の失せるカラフルな料理やら、露悪的で馬鹿げた実験を紹介していく、「アリエナイ理科ノ教科書」の著者、サイエンスライター。公演やテレビ出演なども多数。無料のメールマガジンも配信している。ひっそり大学で先生をしてたりもする。WEBや雑誌での薬と毒関連の連載をまとめた新刊『悪魔が教える 願いが叶う毒と薬』(三才ブックス)が好評発売中。

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【これまでの猛毒一覧】

・ 青酸カリ「前編」「後編
・ リシン「前編」「後編
・ クロロホルム「前編」「後編
・ 一酸化炭素「前編」「後編
・ 覚せい剤「前編」「中編」「後編
・ トリカブト「前編」「後編
・ タリウム「前編」「後編
・ ドクウツギ「前編」「後編
・ ヘロイン「前編」「後編
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