完全記憶HSAMを持つ60人 ― 世界で最も不幸な能力「決して忘れない」人々の重すぎる言葉とは?

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 私たちは日々、多くの情報に囲まれている。それゆえ、1週間前や1カ月前の出来事ははるか遠い記憶の彼方だ。しかし、自分の人生で起きたことを全て覚えている「超記憶」を持つ人々が世の中には存在すると言う。


■ジル・プライス:最初に確認されたHSAM

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 ジル・プライス(51歳)は1965年にニューヨークで生まれた。もしジルに「1980年8月29日、あなたは何をしていた?」と質問すれば、彼女は「その日は金曜日で、私は双子の友だちとその家族と一緒にパーム・スプリングスに行ったわ。私は14歳8カ月でした」と即答する。

 ではこの質問はどうだろう。「初めてリック・スプリングフィールドの『ジェシーズ・ガール』を聞いたのは?」ジルは、「1981年3月7日、母と一緒に車に乗っている時。私はその時16歳と2カ月だった」と答える。そしてこの答えは全部正しいことが確認されている。

 ジルは8歳半の時に、テレビ関係の仕事をしていた父親の都合で、ニュージャージー州からロスアンゼルスに引っ越した。そして1974年7月1日、ジルの脳内で「何かがパチンとはじけた」という。

 ジルは医学的に「非常に優れた自伝的記憶(HSAM、highly superior autobiographical memory)」を持つと診断された最初の人間で、他にこの症状を持つと確認されたのは60人だけだ。HSAMと診断された人々は、普通の人間が最近起きたことを覚えているように、何十年も前のことを詳細に記憶する能力を持っている。今、51歳のジルは1980年以後のすべての日々 ― 何をしていたか、誰と過ごしたのか ― を記憶している。彼女は2日前の出来事とまったく同様に、20年前の記憶を容易に思い出すことができるのだ。

「私の頭の中に常に2つのスクリーンがあると想像して下さい。左側は現在、右側は色々な刺激によって思い出される過去です。そこには色々なシーンが映画のように映し出されています」と彼女は説明する。

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