【進化の謎】高濃度のヒ素汚染地域で、ヒ素に強い遺伝子を持つ“進化系住民”が爆誕していることが判明!=チリ

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arsenic_4.jpgイメージ画像:「Thinkstock」より

■人間とヒ素“7000年の戦い”の果てに人類に起きた変化

arsenic_3.jpg7000年前のミイラ 画像は「NATIONAL GEOGRAPHIC」より引用

 今回調査された遺伝子「AS3MT」は、体内でヒ素をメチル化して毒性を低下させる機能を担っている。AS3MTの機能性は「一塩基多型」という遺伝子中のほんの一塩基の違いにより差が見られることが知られており、ヒ素の無毒化や排泄の効率の違いに影響していると考えられている。そして、カマロネス渓谷の人々の実に68%が、高いヒ素代謝効率を示す型のAS3MTを持っていた。しかも、同時に調査されたチリ国内の2地域と比べて、高いヒ素耐性を示す型を持つ人々の割合は明らかに低かった(それぞれ8%と48%)。

 では、これらの事実が何を示しているのか? 今回の結果は、高濃度のヒ素に苦しめられてきた人々の間で、高い耐性を持つ人間が選択されて子孫を残してきたことを示している。カマロネス渓谷で見つかった世界最古7000年前のミイラも、生前は慢性ヒ素中毒に苦しんでいたことがわかっている。カマロネス渓谷の人々が持つ高いヒ素代謝能力は、厳しい環境との戦いの中で、とてつもなく長い時間をかけて勝ち取った成果といえるだろう。

(吉井いつき)


参考:「New Scientist」、「Wiley Online Library」、ほか

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