福島県南相馬市に「異界への扉」があった!? 体験者が語った“漆黒の風呂場”の謎とは?【3.11】

 私は福島県南相馬市にて不思議な体験に遭遇したのですが、この話は、現在も友人と思い出しては語り草にしているので、記憶の錯誤はあり得ません。当時の鮮明な記憶を、すべて、そのままお伝えします。

福島県南相馬市に「異界への扉」があった!? 体験者が語った漆黒の風呂場の謎とは?【3.11】の画像1イメージ画像:「Thinkstock」より

 2010年10月、南相馬市にあるわずか数件程度の小さな集落で起きたことです。それは、まるで里山を絵に描いたような、のどかな田舎でした。私と友人の2人は、以前仕事で訪ねたことがある田中さん(仮名・年齢非公表)のお宅を再訪する機会に恵まれました。田中さんの家は古いお屋敷ですが、敷地は広く、倉庫や納屋などもあります。専業農家でしたから、当然ですが立派な佇まいです。

 さて、仕事も一段落してから居間で田中さんと2人、世間話をしていた時のことです。突然、田中さんが話を変えました。

「そういえば半年前、うちの隣に住んでいる一人暮らしのおばあさんが、突然行方不明になったんだ。1週間も連絡がつかなかったから、警察を呼んで調べてもらったの。そうしたら、すぐに別の家で暮らしている息子さんの元に居ることがわかったんだけど、おばあさんは、そのまま一度も自分の家に帰ってこないの」
「田舎暮らしで、近所に挨拶もしないまま引っ越しする人なんていないよ。何十年もご近所さんだったのにさ。息子さんも、あとで電話をくれただけで、おばあさんの荷物を取りにやって来ないの。まるで夜逃げみたいに家を捨てちゃったもんだから、不審に思ってね。警察の人と一緒におばあさんの家を見に行ってみたんだよ」
「そうしたらね、家の中は慌てて逃げ出した状態がそのままだったの。でも、それがどうしてなのかはわからずじまい。もしよかったら、あなたにも見てきてほしい。何かわかるかもしれないから」
「ただし、引っ張られるな」

 この時、同行していた友人が、表に出ていく姿が見えました。どうやら隣のおばあさんの家へと向かっているようでした。居間から見えるので、私も田中さんも確認しています。ここまで田中さんの言葉「引っ張られるな」の意味が理解できずにいましたが、友人が隣の家へと、まるで吸い寄せられるように向かうのを見て危険を感じたのかもしれません。とりあえず私も、後を追いかけるように、急いで隣の家へと向かいました。

福島県南相馬市に「異界への扉」があった!? 体験者が語った漆黒の風呂場の謎とは?【3.11】の画像2イメージ画像:「Thinkstock」より

 わき道を通って、隣の家の前に来ました。立派な門構えがあり、敷地は壁で覆われています。くぐって中に入ると、庭は雑草がいっぱいに茂っていて、左手側に大きな作業場がありました。そして、その先にブロックを積み重ねた建物が見えました。一見すると倉庫か風呂場のようにも見えますが、何とも形容しがたい作りをしていました。するとそこに、友人が立ちすくんでいるのです。もちろん私は、「そんなところで何してるの?」と問いかけました。

 すると友人は、我に返ったように「おおおお……来たのね」と返事しました。後日わかったのですが、この時の友人は、言い知れぬ恐怖のため体を動かすことができなかったそうです。友人曰く、「何かわからない気配に引き寄せられて来て、どうする事もできず、ただ身動きさえ取れないまま立ち止まっていた」そうです。

 それから私たちは意を決して、その風呂場のような建物にもっと近づいてみました。ドアのない入口のような所に――。しかし、そこから内部は何も見えません。ただ、漆黒の闇が広がっているのです。通常ならば、輪郭や室内の形状もぼんやりと確認できるはずですが、まったく何も見えないのです。時間は13時頃、空もだいたい晴れていたのに、その漆黒の闇には完全に光が届いていません。

 不思議な光景を前に、私は仮説を立ててみました。もしもここが古い風呂場で、薪を使ったのであれば、ススが部屋に充満してこのような内部になったのではないか、と。しかし、それにしても光が入らない状況は説明できません。目の錯覚なのかもしれないと視界を変えて、改めて確認したものの、やはり漆黒の闇はそのままです。あえて表現するならば、入口から先は「異空間」とでも表現すべきような闇なのです。

福島県南相馬市に「異界への扉」があった!? 体験者が語った漆黒の風呂場の謎とは?【3.11】の画像3イメージ画像:「Thinkstock」より

 私たちはその「異空間」をしばらく眺めていましたが、何も変化はないので、本宅へと移動しました。本宅は「異空間」の向かい側にあります。隣に別宅もありました、別宅は、引き戸でガラス張りのため、内部が良く見えました。すると、家財道具が散乱しています。本宅の内部も見えましたが、同様のありさまでした。

 ここまで友人と一緒に確認したのですが、友人は「もう限界だ、戻ります」と田中さんの家へと戻ってしまいました。私は言い知れぬ恐怖を感じながらも、何かに突き動かされるように、1人で確認作業を続けることにしました。

 私は大きく深呼吸をして、集中してみました。おばあさんの家に不思議な気配が立ち込めていることは感じていましたから、感覚を研ぎ澄ます範囲を拡張させてみました――と、なんと私の周囲を、おびただしい数の“それ”が取り巻いていることに気づいたのです。

福島県南相馬市に「異界への扉」があった!? 体験者が語った“漆黒の風呂場”の謎とは?【3.11】のページです。などの最新ニュースは知的好奇心を刺激するニュースを配信するTOCANAで

トカナ TOCANA公式チャンネル