“性器”の大傑作!!

【閲覧注意】フィスト・ファックから公開出産まで… 出演者が騙されて(!?)出演した歴史大作映画『カリギュラ』がヤバい!

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『カリギュラ』
1980年、イタリア・アメリカ合作
監督/ティント・ブラス
脚本/ゴア・ヴィダル
出演/マルコム・マクダウェル、ピーター・オトゥール、ヘレン・ミレンほか

 暴君だった3代目ローマ皇帝を描いた『カリギュラ』は、アカデミー俳優やシェイクスピア女優らが出演した製作費46億円の超大作だ。だが撮影中からトラブルは絶えず、脚本家はスタジオ出入り禁止で監督はクビ。公開すればイタリアで上映禁止になり、出演者たちも「こんな映画に出たつもりはない」と訴え始める始末。いったい何があったのか?

 製作総指揮は、成人男性誌『ペントハウス』の創刊者ボブ・グッチョーネ。エロ本で巨万の富を築いたグッチョーネは、超一流の俳優でポルノ映画を撮ってみたくなった。カリギュラ役には、スタンリー・キューブリックの名作『時計じかけのオレンジ』(71年)の主役マルコム・マクダウェル。以下『アラビアのロレンス』(62年)で英国アカデミー主演男優賞のピーター・オトゥール。シェイクスピア女優にして、2006年に『クィーン』(エリザベス2世役)でオスカーを受賞したヘレン・ミレン。イギリスの名優ジョン・ギールグッドと、錚々たるキャスティングだ。

 脚本は性倒錯者を描いた小説で有名な、バイセクシャルのゴア・ヴィダル。監督はイタリア・ポルノ界の帝王ティント・ブラス。だが1977年にクランクインすると、この2人にトラブルが発生した。ブラス監督に脚本を7回も書き直しさせられ頭にきたヴィダルは、『タイム』誌のインタビューで監督批判をしてスタジオ出禁になった。そのブラス監督も、のちにグッチョーネからクビを切られ訴訟に発展する。

 そして全撮影の終了後、グッチョーネは「他の映画の撮影でメイキングの類いだよ」とブラスを煙に巻き、自らメガホンを執り同セット内で撮影を始めた。アメリカから『ペントハウス』のグラビア嬢を13人呼び寄せ、男女の陰部や結合部のドアップなどを追加撮影。それをブラスが撮ったフィルムに強引に挿入したのだ。出演者にも内緒で……

あらすじ

 2代目皇帝ティベリウス(ピーター・オトゥール)統治下の退廃したローマ帝国。史実に忠実に奴隷役の男女は全裸で、服を着ている俳優も全員ノーパン・ノーブラで、動くたびにヒラヒラ衣装から「具」がチラチラ見える。初代皇帝のひ孫カリギュラ(マルコム・マクダウェル)は、実の妹ドルシラとセックス三昧の楽しい日々を送っていた。

 ある日カリギュラは、ナポリのカプリ島で療養している皇帝から呼び出される。島の様子は異様で、皇帝はプールで全裸の美男美女と戯れ、ケンタウルス(人馬)みたいな男や2つの顔が融合した三つ目女などのフリークスを集め、あちこちで男女がさまざまな性行為に及んでいる。2代目皇帝は自分の孫を後継者に擁立しようとカリギュラの毒殺を企むが、逆に彼の忠臣である親衛隊長マクロによって絞殺されてしまう。

 晴れて3代目ローマ皇帝の座に就いたカリギュラ。その愛人でもある妹のドルシラは、カリギュラに要所で的確なアドバイスを送り、オモチャ(権力)を与えられた子供同然の兄を陰で支える。カリギュラは妹にはメロメロなので何でも言うことを聞く。このドルシラ役のテレサ・アン・サヴォイは決して美形ではないが、女子学生のような童顔にそぐわぬ大胆な濡れ場(何もかも丸見え)に私は萌える。

 

 まずドルシラは、即位に最も貢献した親衛隊長マクロを「敵に回したら危険」とカリギュラに警戒を促す。マクロは先代皇帝の殺害犯として捕えられ、頭だけ出して地面に生き埋めにされ、低速で迫る巨大芝刈り機で頭を切断されてしまう(必見!)。カリギュラはその足でマクロ家を訪れ、下男どもにシコシコさせて器に集めた精液を肌に塗り込んでいる夫人に、「マクロは処刑したよ」と部屋の中で立ちションしながら報告する。

 次にドルシラは、近親婚がローマの法律で禁じられているため、カリギュラに正室を娶らせる。だがカリギュラは、十数人の候補者(『ペントハウス』のグラビア嬢)の中から、よりによって一番淫乱で浪費家でバツイチのカエソニア(ヘレン・ミレン)を選ぶ。

 そんな中、いつしかカリギュラは自分も殺されると疑心暗鬼にかられ、奇行に走り出す。カリギュラは家来の婚礼に現れると新婦の処女を奪い、悲嘆に暮れる新郎を四つん這いにさせフィスト・ファック。新郎はさらなる拷問にかけ死に追い込み、その遺体にカリギュラの侍女が放尿。また彼のペニスは切り取り番犬に食わせ、玉だけが新婦の下へ返される。また懐妊したカエソニアは、なんと観衆の面前で大股開きにされ「胎児の頭が現れました~」なんて実況で出産ショーだ。

 そんな折、カリギュラは最愛のドルシラを熱病で失い完全に発狂。カリギュラは大型船を模した金箔の「国営売春宿」を建造し、元老院(貴族で構成された議会)の妻や娘・息子に乱交パーティーをさせる。そこで繰り広げられたのが例の追加シーン。ひときわ美貌が目立つひとりは『ペントハウス』トップクラスのオナペット、ジェーン・ハーグレイヴ。ジェーンは言う。「途中で周りを見渡したら、みな本当にしていたわ」。元老院の間で反カリギュラの機運が頂点に達し……ラストは観てのお楽しみ。

 作品が公開されると、イタリアでは「道徳的に不快」とクレームがつき6日間で上映中止。そこでアメリカでは日本の映倫に当たるアメリカ映画協会を通さず、ニューヨークの劇場を1館買い取り独占上映した。入場料は相場の5割増しでも、中止される前に見ようと客が押し掛け記録破りの大ヒット。それを知ったイタリア側も再上映を始める始末(笑)。

 さて、完成作品を観て驚いたのは出演した豪華俳優陣。オファーを受けた時のマクダウェルは、グッチョーネの名を聞きポルノと思って断ったが、脚本のヴィダルに「ただの役員さ。気にしなくていい」と言われて受諾した。だが完成作品を観たマクダウェルは激怒し、BBCのインタビューに「私は知らないで出演したのです。どうかみなさん、観に行かないでください」と答えた。ピーター・オトゥールは「ポルノに出演するつもりはなかった。騙された。詐欺だ。キャリアに傷が付いた」と騒ぎ出した。ヘレン・ミレンだけが「芸術の融合と……性器の映画よ」と言ってニヤッと微笑んだ。

 かわいそうなのはブラス監督。彼の撮ったシーンの数々は製作側にカットされ、グッチョーネが撮ったエログロシーンに差し替えられた。なのにブラスは「わいせつ罪」の主犯として汚名を着せられた(後に無罪となるが)。本当の暴君はカリギュラではなく、ボブ・グッチョーネだったのだ。

■天野ミチヒロ
1960年東京出身。UMA(未確認生物)研究家。キングギドラやガラモンなどをこよなく愛す昭和怪獣マニア。趣味は、怪獣フィギュアと絶滅映像作品の収集。総合格闘技道場「ファイト ネス」所属。著書に『放送禁止映像大全』(文春文庫)、『未確認生物学!』(メディアファクトリー)、『本当にいる世界の未知生物 (UMA)案内』(笠倉出版)など。新刊に、『蘇る封印映像』(宝島社)がある。
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