奇習! 数多の少女を性奴隷にした「謎の紳士」 ― 戦災孤児を襲った“風呂”の誘惑

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奇習! 数多の少女を性奴隷にした「謎の紳士」 ― 戦災孤児を襲った風呂の誘惑の画像1画像は「Thinkstock」より引用

 かつて行われた第二次世界大戦の際に、日本は多くの尊い人命が失われ、また、美しい国は文字通りの焼け野原と化したが、そうした戦争の爪痕は、その後の日本においても多くの暗い影を落とすこととなった。とりわけ、この戦争により親兄弟を失った戦災孤児たちを巡る悲運は、まさに筆舌に尽くしがたいものであったことは言うまでもない。

もうあれから何十年も経ちましたけどね、思い出すだけで胸が苦しくて。本当に忘れてしまいたい、辛い記憶ですよ……

 終戦直後に遭遇した謎の紳士と、その後に生まれた悲劇についてそう語るのは、自らも戦火により家も家族も失った経験を持つという平塚勝道さん(仮名・77)。当時、平塚さんら孤児は、行く当てもなく、帰る家もなく、焼け野原となった東京の片隅で、身を寄せ合うようにして子供たちだけで暮らしていたというが、そんなある日、一人の紳士に出くわしたという。

本当に良い人だったんですよ、身なりもすごく立派でね。それこそ、お大尽という感じでしたから。周りが焼け野原で着のみ着のままで乞食同然の様子だというのに、まったくそういうものとは別の世界に住んでいる人のようでした。でも今にして思えば、それがすべて罠だったんです

 その紳士は、時折彼ら孤児のもとを訪ねては、当面必要な食料などを無償で提供してくれる「神のような存在」(平塚さん)で、いつしか孤児たちも、彼に対して自然と尊敬や憧憬の念を抱くようになっていったという。だが、そうした日々がしばらく続いたある日、思わぬ事件が発生する。その紳士に「風呂に入れてあげる」と言われて連れていかれた少女たちが戻ってこなかったのだ。

“来週は男の子だ”ということで、先に女の子だけが連れていかれたんです。けど、待てど暮らせどその子たちは戻ってこない。その男の人だって、それっきりです。“誘拐されたのかもしれない”って気づいたときには、年端もいかぬ子供だった私らにとって、もうなすすべもありませんでした

 実はこの平塚さんが証言している「謎の紳士」と、それによって引き起こされたと思しき「少女たちの大量失踪」は、多少の差異こそあれど、全国各地で類話が存在し、行方不明になった少女たちの大半が、米兵相手の幼い娼婦とされたり、戦火を逃れた富裕層の日本人たちの「性奴隷」にさせられのだという都市伝説が広まるキッカケとなった。だが、ある史家によると、これはかつて日本に存在した女衒のような人買い業者たちによって引き起こされたもので、そうした人物たちが「謎の紳士」として全国各地に出現しては、彼らの間で共有されていたマニュアル通りに子供たちをたぶらかし、組織的なビジネスとして、こうした行為を展開していたのだという。すなわち、「単なる都市伝説」などではなく、紛れもない「事実」として存在していたというのである。

……風の噂で、娼婦にさせられたとか、金持ちの慰み者にされたとか、よくない話ばかり聞きました。それを思うと、私は今でも胸がしめつけられる想いがするんです。あの子たちがお風呂に入れると聞いて、大喜びで出かけていったあの日の笑顔が、いつまで経っても頭の中から離れません

 同じ境遇に置かれながらも、「性別が女」というだけで、その毒牙にかけられてしまったと思しき少女たちの“その後”に想いを馳せ、今なお、鎮痛な面持ちで述懐する平塚さん。数々の文学作品などでも描かれているように、我が国においては、古くから人身売買が慣例化していたが、それは決して大昔の話ではなく、たった数十年前まで大々的に行われていた、忌むべき歴史であったようだ。
(取材・文/戸叶和男)

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