全長20mの巨大生物ネッシーが200mまで超巨大化!? UMA以上に幻と化した超大作映画『ネッシー』のヤバさ

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『ネッシー』
1978年7月14日公開予定(日英合作)
監督/マイケル・アンダーソン
出演/未定

 1970年代の日本は「オカルト・ブーム」が席巻し、超能力やUFO・心霊・悪魔、そしてネッシーに代表されるUMA(未確認生物)も雑誌やテレビ番組で頻繁に特集されていた。

 そんな中、『ゴジラ』シリーズの東宝と『ドラキュラ』を制作したハマー・プロが手を組み、破格の製作費に超一流の撮影スタッフ、そして豪華オールスターキャストの出演が予定された日英合作『ネッシー』の企画が立ち上がった……のだが、惜しくもお蔵入りしてしまう。今回は、そのトンデモナイ幻の超大作ぶりを紹介しよう。


 キャッチコピーは「人類が1400年追い続けた夢<ネッシー> 20世紀最後のロマンを製作費21億円で描くスペクタクル巨編!」。21億円は当時としては破格、うち10億円は東宝が負担する特撮費用だった。ちなみに「1400年追い続けた」とは、565年に聖コロンバという僧侶がネス湖から流れるネス川で怪物を退けたという、ネッシーに関する最古の記録に由来しているのだろう。

 プロデューサーは『ワイルド・ギース』(78年)のユアン・ロイド、『吸血鬼ドラキュラ』(58年)などイギリスが誇るホラー映画の名門ハマー・プロの総帥マイケル・カレラス。そして『ゴジラ』生みの親のひとりでもある東宝の大プロデューサー田中友幸が名を連ね、監督・脚本は俳優として『ナバロンの要塞』(61年)などに出演した経歴を持つブライアン・フォーブス。東宝が特撮監督に抜擢したのは、以前このコラムでも取り上げた『大津波』、『ノストラダムスの大予言』の中野昭慶で、特撮シーンの絵コンテを自ら描いている。

 経緯は不明だが後に監督は、ジュール・ヴェルヌ原作『八十日間世界一周』(56年)でアカデミー賞最優秀監督賞にノミネートされたマイケル・アンダーソンに変更された。筆者は彼の作品ではシャチの復讐劇を描いた『オルカ』(77年)に強烈な印象を持っている。

 ちなみに、当時巨人軍の王貞治選手が、伝説の大リーガー、ベーブ・ルースの通算ホームラン数714本(当時2位)にリーチを架けていて、日本中が注目していた。宣伝部はこれに便乗し、『ネッシー』の製作費が714万ドル(21億円)なので、王選手の714号のホームランボールをキャッチした観客をネス湖に招待すると発表した。王の714号は1976年に達成されたが、ボールをつかんだ人はネス湖へ行けたのだろうか? ついでに公開日も714つながりで7月14日と決まり、日本・アメリカ・ヨーロッパでの同時公開が発表された。だが先述したように『ネッシー』は製作中止となってしまう。それは1976年のイギリスの財政破綻、ハマー・プロの怪奇路線が下火となった事が要因らしい。

 では、その内容はどのようなものだったのか。残存する脚本には、想像を絶するストーリーが展開していた。その前に、ネッシー映画の歴史をおさらいしておこう。

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