CMへのクレーム、本当にやめてほしいと嘆く関係者たち

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 アサヒ飲料・三ツ矢サイダーのCMにおいてトランペット演奏中の女性に対して、後ろからぶつかりに行く人がいるシーンがあることから、危険との意見が寄せられ、放送打ち切りとなった。放送開始からわずか3日後のことだ。

 放送中止には賛否両論があったようだが、こうした即座の打ち切り対応にCM関係者は嘆きの声を上げている。

「最近はCMが苦情で打ち切られるケースが増えているので、CM業界としてもキツイのひとことです。CMの準備は年単位で取り掛かりますが、それが放送開始からたったの数日で打ち切りですから。

 CM制作者はギャラをきちんと受け取れますので金銭的な打撃は受けませんが、スポンサー企業は別です。莫大な損害を抱えることになって『今後はこんなことならCMを作りたくない』と考えてしまうケースも多く、結果的にCM業界全体が衰退する可能性も秘めているんです」(CM関係者)

 さらにこれはテレビ局にとっても痛手のようだ。

「出稿される予定だったCMが吹き飛ぶので、事後処理や収益にも大きな影響を与えます。特に今回のような大手のCMとなると厳しいですね」(テレビ局営業関係者)

 たしかに、CM業界、放送局双方にとっても厳しい現実だろうが、そもそもクレームが来ないようなCMを作り出せないものなのか。

「当然、そこは厳しくチェックしています。関係者による確認はもちろん、弁護士などからのチェックもあります。さらに、一般消費者にモニターになってもらい、嫌悪感を抱くシーン、問題に思えるシーンがないかを調査しているんです。しかし、それでも今はさまざまなクレームが寄せられるので、こうした事態が起こってしまいます。正直、お手上げとしか言いようがありません」(前・CM関係者)

 チェックしていてもさまざまな苦情がくるとのことだが、その内容にはどのようなものがあるのか。報じられていないケースを聞いた。

「たとえば製薬会社のCMで、仕事を頑張らないといけない日だからと、風邪薬を飲んでその日一日を乗り切るという内容が過去にありました。このCMに対して『体調が悪い日は会社を休むのが通常であり、働くことを強制するような内容はおかしい』という意見がきたのです。強制しているわけではないので、このCMは打ち切りにならずに済みましたが『そんなことまでガタガタ言わないでくれ」というのが本音です」(同)

 たしかに、風邪薬を飲んで仕事をすることなど日常ではよくある話だ。それさえ放送できないとなればさすがに理不尽と言わざるを得ないだろう。

 しかし、そもそも放送の打ち切りは誰が決めるのか。

「企業です。企業の中には苦情が来ても放送を継続する会社もありますが、数件の苦情が来ただけで及び腰になって放送を中止することもあります。自分たちからしてみると、クレーム内容がおかしなものであれば踏ん張ってほしいと願うばかりです」(同)

 的を射た苦情ならば構わないだろうが、ただの難癖レベルとなると考え物といえるだろう。苦情を寄せる前に改めて考えてもらいたいものだ。
(文=吉沢ひかる)

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