テレビ界の聖域“CM”にも自主規制が浸透中! クレームが強すぎる時代の困難

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 テレビ番組の自主規制が進み、以前であれば問題なく放送できていた内容も現在は放送できないことが増えている。だがそんなテレビ番組とは裏腹にテレビCMは自主規制も少なく、自由な作風で作ることができているという。民放テレビ局にとってスポンサーは神様であり、CMは聖域だからだ。

 そのため、法律上の問題などは事前に実際のCM動画でチェックするものの、できるだけスポンサーの意向を汲んでそのまま放送するなど、番組とは異なる扱いがあるという。しかし、近年はそんな聖域にも自主規制の声が上がっていると聞いた。

「少し前から、CM内容に関して視聴者の苦情が入ることが増えてきて、スポンサーによってはCMの放送を打ち切ることもあります。しかし、ここにきてCMの組み合わせに関してクレームが入るようになっており、局でも戸惑っているんです」(放送局関係者)

 CMの組み合わせとは、どういうことか。

「たとえば消費者金融のCMと債務整理を行う法律事務所や司法書士法人のCMが同じ番組内で流れたことがあります。そのような場合、お金を貸す側と借金を整理する側が共存するわけですが、こうした組み合わせで放送すると『利害が相反しているCMを同じ番組内で流すな』というクレームが来るんです」(同)

 そんなクレームが来るとは驚きだが、そのほかの組み合わせでもあるという。

「あとはアルコール飲料のCMと自動車CMの組み合わせですね。飲酒運転を誘発するなどと苦情がきます。何も同時に利用してほしいとはいっていないわけですが、わかってもらえないんです」(同)

 こんな苦情を受け付けなくてはならないとはテレビ局も大変だが、テレビ局にとってスポンサーはやはり神様だという。

「公序良俗に反する企業なら門前払いですが、そうでなければテレビ局としてはCMを出してくれるクライアントはありがたい存在です。たまたま同じ番組内にCMが流れることで矛盾をはらんでしまっても、どちらも大切。ただし、今はクレームが強い時代なので、今後こうしたクレームを受けた場合、きちんと対応をしないといけないかもしれません」(同)

 対応とは、どういうことなのか。

「基本的にはCMの組み合わせに配慮して流すタイミングを調整していくことになります。ただ、同じ番組のスポンサーにベクトルが相反する企業が手を挙げてくれた場合、どちらかを切り捨てなければならなくなります。

 消費者金融と法律事務所ならば、テレビ局は銀行系の肩を持ちたいので消費者金融のCMを優先させるでしょう。しかし、自動車とアルコールが競合した場合は、いずれも超大手ですし、出稿数も多いので、どちらも断りたくないというのが本音。そのため、業界内ではCMへのクレームは本当にやめてほしいという声が圧倒的です」(同)

 今の時代、テレビCMを流してくれる企業も減っているそうで、だからこそ既存のスポンサーは大切にしたいとの思いがあるよう。放送業界は視聴者の意見、スポンサーの意見、どちらを優先させることになるのだろうか?

文=吉沢ひかる

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