まったく新しい物質「時間結晶」とは? サルでもわかるように量子物理学者が超・徹底解説!

まったく新しい物質「時間結晶」とは? サルでもわかるように量子物理学者が超・徹底解説!の画像1画像は「The Independent」より引用

 昨年10月4日、「時間結晶(タイムクリスタル)」なる物体が初めて実験で確認されたとのニュースが世界中を駆け巡った。今年3月には我が国においても、筑波大学を含む複数大学の共同研究で時間結晶の“室温観測”に成功したと報じられたが、「結晶化した時間」とはそもそも何なのだろうか? 今回はこの極めて専門的なニュースをズブの素人にも分かるように、第一線で活躍中の量子物理学者X氏に徹底的に噛み砕いて解説して頂いた。以下、X氏による解説。


■物理学における「対称性」とは?

 本題に入る前に、物理学における「対称性」を説明しておきましょう。この特殊物理的な考え方が分からなければ、物理学における「結晶」の意味も理解できません。

 物理において「●●対称性」というのは「●●の状態が変わっても物理法則は変わらない」という意味です。この対象性には「空間対象性」と「時間対称性」がありますが、まずは理解し易い空間対称性の例を挙げてみましょう。

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 例えば、あなたが原っぱに立ってリンゴを落としたとします。この時、その場でリンゴを落とすのと、一歩前に進んでリンゴを落とすのとで落ち方は変わりません。場所ごとに法則が変わらないとき、物理の世界では「空間対称性」があると言います。

 つまり、物理法則に対称性があるということは、そこに平等で不変的な規則が存在することにほかならないのです。ですが、空間的に対称であっても、どういうわけだか最終的に物質の分布に“ムラ”ができることがあります。これを「(空間)対称性の破れ」と言うわけです。

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