まったく新しい物質「時間結晶」とは? サルでもわかるように量子物理学者が超・徹底解説!

■対称性の破れと結晶

まったく新しい物質「時間結晶」とは? サルでもわかるように量子物理学者が超・徹底解説!の画像3氷の結晶「Spring 8」より引用

 例えば氷の結晶は、空間対称性がある条件下でも作成できますが、上の図のように、結果は分子がある部分とない部分にはっきり分かれます。どの場所にもダラーっと原子が存在しているわけではないのです。物理法則が空間的に同じでも、最終的な物の分布が均一になるとは限りません。

 繰り返しますが、こういう分布のムラが起きることを「対称性の破れ」と言います。この考え方を拡張して、分布に対称性を破るムラがある物体のことを物理では“すべて”「結晶」と呼びます。つまり「時間結晶」で語られる「結晶」とは、この意味での結晶を意味し、「時間に対する対称性を破る物質」のことを指します。


■時間結晶とは時間的にムラのある物体

まったく新しい物質「時間結晶」とは? サルでもわかるように量子物理学者が超・徹底解説!の画像4画像は「Wired」より引用

 では、物理法則が時間に対して対称性をもつ「時間の対称性」とはどういうことでしょうか? それは、明日の物理法則が今日の物理法則と変わらないように、どの時刻でも同じ数式に物体が従うということです。

 ということは、「時間結晶」とはそれを破る物体、時間的にムラのある物体のはずです。それはどういうものでしょうか? 「時間の対称性があるにもかかわらず、ずっと振動を続ける物質」ということになります。しかし、実はこのような物質の形態が存在しないことは、東京大学の押川氏、渡辺氏によって結論付けられています。しかし、この証明には時間の「離散対称性」を破る結晶(時間結晶)については反論されていなかったのです。では、次に「離散対称性」について考えてみましょう。

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