TVの情報番組がネットの嘘を信じて報じてしまうのはなぜ? 関係者「ネットのデマが精巧になったから」

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 少し前、フジテレビ系列で放送されている『ワイドナショー』と『ノンストップ!』が誤った情報を放送したとして相次いで謝罪をする事態となった。

『ワイドナショー』ではネットユーザーが創作した宮崎駿監督の引退発言を本物として紹介して謝罪。『ノンストップ』では過去に発売されたガリガリ君の味を紹介した際に、誰かが創作してネット上にアップした偽の画像をこちらも本物の商品として紹介し、謝罪するに至っている。

 同じ週に同じ局で、なおかつ同じような原因による今回の失態には批判の声も多いが、なぜこんなことが起こったのか。番組制作の実情をスタッフに聞いた。

「基本的に番組において紹介する内容はそれぞれの番組を担当するリサーチャーが精査します。彼らは番組内の全ての情報の裏をとり、間違いがないかチェックする役目を担っているんです。ですが、このリサーチャーが確認作業をネットで済ませて楽をしている結果、今回のようなミスが出てしまったといわれているんです」

 ネットを使って楽をしているとは、どういうことか。

「以前でしたら番組作りを行う際は、当事者への電話確認が当たり前でした。今回の件で言えばスタジオジブリや赤城乳業への電話確認が必須となります。もしくは宮崎駿さんの件であれば過去の映像や新聞記事を総チェックして、発言した事実があったかどうか、ひとつずつ裏付けをとらなければなりません。しかし、今回はネット上で画像や記述を見つけて、それを安易に信用してしまったんです。『ネットに載っていたから大丈夫』と思ってしまったんでしょうね」(同)

 インターネットは便利な社会インフラになっているが、そこにある情報をすべて鵜呑みにしていいとは限らない。

「インターネットが浸透し始めたころは『ネットでの裏取りはNG』『ネットにあるのは二次情報なので、一次情報を探して、それを明示せよ』というスタンスで番組が作られていました。ただ、ネットの浸透とともにその認識は薄れはじめてしまっています。今回はそれぞれの番組のリサーチャーがネットを信用しすぎてしまったために起こったといわれています」(同)

 たしかに嘘も多いが今のインターネットは事実も多数掲載されている、虚実入り混じった空間として存在している。しかし、嘘の情報がある以上、完全に信用することは避けるべきだったはずだ。

 だが、こうした事態を招く要因として、ネットユーザーの技術向上が挙げられるという。

「今は映像や写真を加工する技術であれば誰もが持てる時代なので、ネット上には精巧なものがどんどん増えています。たとえばYouTubeには『情熱大陸』(TBS系)のパロディ動画がありますが、その中には本物と見紛うほど質の高いものもあります。こうした映像を見て、本物であると信じてしまう業界人もいるんですよ。今回の件は制作陣の確認ミスが絶対的な理由ですが、同時にネットの偽情報の質も高まっているために起こった出来事だといえます」(同)

 たしかに精巧なものは増えているのかもしれない。しかし、だからこそより厳しくチェックしていかなくてはならないはずなのだが……。

文=吉沢ひかる

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