もうすぐインプラント終焉、失った歯を培養して完全再生できるようになる! 大変革期に突入した歯科医療の最前線を徹底解説

■虫歯の再生医療

 歯そのものの完全な再生はもう少し先の話だが、歯の内部や周辺組織の再生については実用化が着々と進んでいる。虫歯の治療では新たな治療法や薬が開発され、臨床試験も行われているのだ。

 そのひとつが歯髄再生治療法だ。これまで、ひどくなった虫歯はドリルで穴を開けて神経を除去し、金属や樹脂で埋めてしまう治療が一般的だったが、空いた穴に充填材ではなく幹細胞まで移植し、象牙質や歯髄を再生させようという試みである。すでに日本でも国立長寿医療研究センターが臨床試験を行っている。

0628teeth-3.jpg画像は「国立長寿医療研究センター」より引用

 また、幹細胞ではなく、再生を促進するような薬剤を使う方法も検討されている。イギリスの研究によれば、ある薬剤を含んだコラーゲン製のスポンジを虫歯の穴に詰め込むと、象牙質の再生が見込めるというのだ。この薬剤は、もともとアルツハイマー病の薬として開発されたものだが、歯の象牙質を形成する象牙芽細胞の働きを促進する作用があるそうだ。コラーゲン製のスポンジは体内で自然分解し、数週間後には虫歯の穴は元どおり象牙質で埋まる。現在は動物実験の段階だが、うまくいけば今年中にも人間での臨床試験が始まるという。

 多くの人にとって身近な歯科。再生医療発展の恩恵を受け、歯科治療は今後十数年でガラッと変わってしまうかもしれない可能性を秘めているのだ。
(吉井いつき)


参考:「岡山大学」、「国立長寿医療研究センター」、「Scientific Reports」、ほか

関連キーワード

プレスリリース入稿はこちら サイゾーパブリシティ